「なんとまあ優しい世界」「ええんやで」 神戸・六甲ケーブルの〝注意喚起〟に12万人ほっこり
目に入ったら心がほっこりすること間違いなしな「注意喚起看板」が、X上で注目されている。
評論系の同人誌を制作・頒布しているサークル「行方不明のドバトが見つかった」のXアカウント(@lostpigeonfound)が2025年6月10日、「ええんやで」という呟きと共に投稿したのは、可愛らしいツバメのイラストと共に、こんな文面が書かれた看板だ。
「ぼくたち、たまにフンをするよ。ごめんやで。」
か、かわいい......。こんな言い方をされたら、「ええんやで」としか言いようがない!
この場所ではツバメたちが大切にされているのだなあ、というのも感じられて、最高だ。
この看板、一体どこに置かれているの? Jタウンネット記者は12日、「行方不明のドバトが見つかった」の岩峰さんに話を聞いた。
子育て中のツバメも発見
岩峰さんが「ごめんやで」の看板を見つけたのは6日、六甲山上と神戸市街地を結ぶケーブルカー「六甲ケーブル」(神戸六甲鉄道)の六甲山上駅の駅舎内でのことだった。
愛らしいツバメたちのイラストと、「ごめんやで」という一文に、思わず笑ってしまったという。
「彼らの成長を見守るスタッフの方々の優しさも感じられる看板でした。よく見ると、ツバメが被っている帽子も六甲ケーブル仕様になっているのも見逃せません」(岩峰さん)
看板だけでなく、本物のツバメたちにも出会うことができたそう。
岩峰さんは「素敵な初夏を感じることができました」と当時を振り返った。
記者は13日、看板の詳細について、六甲ケーブルにも話を聞くことができた。
ツバメたちが、来年も帰ってこられるように
六甲ケーブル助役の豊島昇さんによると、「ごめんやで」の看板は、すでに退職した前任者が2020年7月に設置し始めたもの。
「山上駅構内にたくさんツバメの巣があったのですが、お客様の通り道の上にもあったりするので 注意喚起のために設置しました」(豊島さん)
以降は毎年、駅舎内に設置するように。過去には背景が色違いバージョンも作られ、24年は自動ドアのガラス面に、数年前はフンが落ちる場所の床に置いた段ボール箱の側面に貼るなどしていたという。
2025年は、岩峰さんが撮影したものが山上駅内の1か所のみに設置されているとのことだ。
「(ツバメは)毎年やってきます。ヒナが無事巣立って、来年また山上駅に来てほしいと願っています」(豊島さん)
無事に巣立ちの時を迎え、そして来年また山上駅へと戻ってくるために、ツバメやヒナたちを暖かく見守ってほしい......そんな思いが込められているという「ごめんやで」看板。利用客からの反響も大きい。
「気に入っていただき、今回のようにお写真を撮ってSNSに投稿していただいたり、イラストがきっかけでお客さまとツバメ談義になることもあります」(豊島さん)
駅員の皆さんとツバメたち、そして利用者とのハートフルな関係が垣間見える看板に、X上では12万件以上のいいね(16日夕時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「なんとまあ優しい世界」
「かまへんかまへん!」
「たくさん食べて、大きくなって巣立ってね」
「こういう看板があると、気をつけるし優しい気持ちになれる...」
ええんやで。 #六甲ケーブル pic.twitter.com/la43IcmyEJ
— 行方不明のドバトが見つかった@C106 日曜 東 チ-07b (@lostpigeonfound) June 10, 2025