AI「ブラックサンダーと日本酒は...合います!」 岡山地酒×駄菓子の衝撃ペアリング、試してみたら→驚がくの結果に
10月1日は、日本酒の日。皆さんは、日本酒にどんなイメージを持っているだろうか。
海の幸と一緒に楽しんだり、蕎麦と共に一杯やったり......「自分にはまだ早い」と思っている人も少なくはないだろう。普段あまり飲まない人であれば、なおさらかもしれない。
だが、日本酒はもっと気軽に楽しめるものなのだ。酒どころ・岡山県は地元の日本酒と"身近なあるもの"のペアリングをオススメする企画を実施し、そのことを伝えようとしている。
2024年10月14日まで、東京・新橋のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」2階のビストロカフェ「ももてなし家」で、その斬新ペアリングを体験できるのだ。
日本酒と共に楽しめるという"身近なもの"とは......。
なんと、駄菓子だ。
5つの味を分析、測定
温暖な気候と豊かで清らかな水で全国有数の酒米産地として名高い岡山には、県外からも多くの観光客が訪れる人気スポット「日本一のだがし売場」もある。テニスコート9面分もの敷地面積を誇る、国内最大級の駄菓子売り場だ。
そんな岡山だからこそ、日本酒×駄菓子という奇抜すぎるペアリングに辿り着いたらしい。
岡山県が「日本酒に合う」と出してきたのは、誰もが一度は見たことがあるだろうお馴染みの「うまい棒」や「ブラックサンダー」、「ポテトフライ」に「ヤングドーナツ」、「ベビースター」......。
正直、日本酒とあわせた時のイメージが全く沸かない駄菓子たちを選んだのは――"AI"だ。
白衣の人物の隣に佇んでいるのが、AI味覚センサー「レオ」。OISSY(本社:東京都港区)・代表取締役であり、「味博士」でもある鈴木隆一さんの開発したものだ。
レオが味を「甘味」「うま味」「塩味」「酸味」「苦味」という5つの観点から分析・測定し、ピッタリな組み合わせを導き出したという。
人間の舌で確かめてみても、本当に合うのか? 記者も体験させてもらったので、中でも特に印象的だった2つのペアリングをご紹介したい。
1つ目は「ベビースターラーメン」(おやつカンパニー)と「大典白菊 純米大吟醸 雄町」(白菊酒造)。
岡山の特産品で多くの酒米のルーツともいわれる「雄町(おまち)」を50パーセントまで磨き上げ、丹精こめて醸した純米大吟醸はまったりとしていてまろやかでコクのある味わい。それが、「塩味」と「うま味」が特に強いベビースターラーメンと相性抜群だというのだ。
確かに、ガツンとくるしっかりとした味わいのベビースターラーメンを、白菊が優しく包み込んでくれるかのような感覚があった。一口お酒を飲むごとに濃いめの味がリセットされるのだ。「刺激と緩和でどんどん食が進む」と鈴木さんが言っていたが、まさにその通りである。
チョコと日本酒...!?
もう1つは「ブラックサンダー」(有楽製菓)と「御前酒 純米 美作」(辻本店)だ。
チョコレートと日本酒......? と思ったのだが、甘いだけじゃなく塩味もあるブラックサンダーはびっくりするほど美作とマッチ。
岡山観光特使でありSSI認定?酒師・酒匠でもある安藤恵さんいわく、岡山の地酒はそれぞれ作っている場所の食べ物に合うものが多い。美作は山の地域で作られているため、いのしし肉などとの相性が良いそうだ。
安藤さんは肉の脂の"甘み"とブラックサンダーが似ている点もあるのでは、と分析していた。
ほかにも、「ポテトフライ フライドチキン味」(東豊製菓)と「燦然 特別純米 雄町」(菊池酒造)、「ヤングドーナツ」(宮田製菓)と「櫻室町 純米吟醸 備前幻」(室町酒造)、さらに「うまい棒めんたい味」(やおきん)と「独歩 雄町米ラガービール」(宮下酒造)といった雄町米を副原料としたビールとのペアリングもあった。
普段日本酒をよく飲むという人も、逆に普段はほとんど飲まないという人も、ぜひ試してみてほしい。
いずれも入手は難しくないので、気になった組み合わせを近くで購入して試してみるのもいいかもしれない。それが気軽に出来るのも、今回の企画の魅力だ。
日本酒の旬ともいわれる秋にぜひ、新しい日本酒の楽しみ方を発見してほしい。