荻窪に「味噌が主役の味噌ラーメン」あり 激戦区で行列絶えない人気店、再現麺もかなりウマい
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百三十一回 日清食品「味噌っ子 ふっく 味噌ラーメン」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百三十一回目となる今回は、日清食品のカップ麺「味噌っ子 ふっく 味噌ラーメン」をレビューします。
東京・荻窪にある行列のできる人気味噌ラーメン店「味噌っ子 ふっく」の味を再現したカップ麺です。

「味噌っ子 ふっく」の味を再現
有名ラーメン店が軒を並べる中央線沿線の中でも、荻窪は特にラーメン激戦区として知られています。
「春木屋」を始め、魚介系の濃口醤油味スープが特徴の「荻窪ラーメン」の店が多い中で、「味噌っ子 ふっく」は味噌ラーメンの超人気店として君臨。
「荻窪一の人気店」、もしくは「東京一の味噌ラーメン」とも噂される大人気店で、食事時を避けても、雨の日ですらも行列が絶えないとのこと。
できるだけ並ばずに食べるなら雨の日に、かつ食事時を避けて行くしかなさそうですが、かなりハードル高いですね。

そんな超人気店の味をカップ麺で手軽に楽しめるのは本当にありがたい話です。今回のカップ麺は果たしてどんな味なのでしょうか。
また、他のご当地麺、特に札幌味噌ラーメンとの違いも気になるところです。
「味噌っ子 ふっく 味噌ラーメン」の内容物

「味噌っ子 ふっく 味噌ラーメン」の内容物。
別添袋は湯戻し調理後に入れる「特製調味油」ひとつで、カップには麺の他にスープ粉末やかやくが入っていました。
麺量は70グラムで、普通盛としてはやや多めです。
粉末は白っぽくてあまり味噌感がなく、かやくでは白い粒のきざみ玉ねぎが目立っていました。
味噌ラーメンの固定観念覆す味

豚鶏ベースに白味噌を加えた濃厚な味噌味スープです。
クセのない白味噌にクリーミングパウダーを加えることで、マイルドさを前面に押し出しています。
札幌味噌ラーメンだと、ベースの豚骨やスープ表面のラード、さらに山椒や生姜といった脇役が目立ちますが、こちらのスープはまろやかで濃厚な味噌を前面に押し出しており、味噌の魅力に溢れています。
店名で「味噌っ子」と名乗るだけあって、本当に味噌が好きな人が作ったスープなのだろうと思わされるものがありました。
味噌味のスープでありながら、他の商品ではありがちな味噌の刺さるような塩気がなく、とても食べやすい味なのは本当にお見事。
多くの人の味噌ラーメンに対する固定観念を覆すスープかもしれません。

アクセントを加えるのは玉ねぎと生姜の風味。
どちらも主役のまろやまな白味噌の魅力をうまく持ち上げていて、かなり効果的です。
玉ねぎや生姜は札幌味噌ラーメンでも使われていますが、今回のスープでは主役の味噌を引き立てるためだけに存在しているように感じられ、材料は同じでもまったく異なるアプローチでした。
味噌が主役の、味噌好きにはたまらない味なのではないでしょうか。
新開発の麺はスープと相性抜群

麺は太めストレートのノンフライ麺。
この商品のために新開発された麺とのことで、日清食品によるタテ型の名店再現系カップ麺で使われてきた麺に比べてひとまわり太くなっています。
つるみがありながら歯切れ良い食感で、多加水麺と低加水麺の特徴を兼ね備えています。自然な甘みが感じられるおいしい麺です。
ただ、お店の麺はさらに太い上に弾力も強いので、再現性はそれほど高くないのかもしれません。
それでも、甘みが感じられる麺とまろやかな味噌味スープの相性は抜群。
甘さでつながることで麺とスープが一体化しているように感じました。
今回のために新開発された麺だけあって、スープとの相性がかなり考慮されているようです。

具は、豚ミンチ、チャーシュー、きざみ玉ねぎ、ネギの組み合わせ。
肉は2種類入っていますが、どちらも量はあまり多くなくそれほど目立っていません。
最も目立っていたのは玉ねぎで、きざみ玉ねぎの風味と食感がスープの玉ねぎの風味をよりリアルにしていました。
荻窪は「荻窪ラーメン」だけではない
クセのない白味噌にクリーミングパウダーでまろやかに仕上げたスープはとてもおいしく、数ある味噌ラーメンの中でも特に味噌の主役感が強いのが印象的。
新開発のノンフライ麺はスープと相性抜群で、味噌の存在を持ち上げる玉ねぎや生姜のアクセントも素晴らしかったです。
今や東京のラーメンを代表する存在になった「荻窪ラーメン」ですが、荻窪には味噌ラーメンもあるぞと強く印象づける商品でした。