「思い出さないくらい、しあわせでいて」 県外に巣立つ若者たちへ...富山県の贈ったエールが泣ける
「ちょっぴり暑苦しい、絶対的味方でこれからもいさせて」
「夢を追いかけて県外に行きます。不安な時にいつでも帰れる場所があるなって思って、すごく背中を押されました」
「やっぱりこうやって地元でなにか出来るような仕事をしたいと思っているので、こうやって待ってくださっている環境があるっていうことは、自分の頑張る励みになります」
卒業式帰りにポスター展を見て、笑顔で語る卒業生たち。地元の人たちの力強い励ましで、勇気づけられたことが、明るい表情から見て取れる。
そんな彼女たちの姿を見せたあと、動画にはメッセージが現れる。
思い出さないくらい、しあわせでいて。
思い出すときは、笑顔になってほしい。
あたらしい世界に出るきみに、わたしたちは何ができるだろう。
このまちを追い越していく姿に、どんなことばを贈れば、喜んでくれるだろう。
私たちにできるのは、きみのしあわせを願うこと。
そして、いつか休みたくなった時に、
きみの心をあたためて会いたくなるような場所であり続けること。
そんなちょっぴり暑苦しい、絶対的味方でこれからもいさせてください。
はじまるきみに、ありったけのエールの花束を、富山から。
背景では、地元のスキー場のスタッフ、路線バスや鉄道の運転手や運転士、ラーメン店の店主、予備校の講師、高校の教員、書店員......たくさんの人たちが、笑顔でエールを送っている。「いってらっしゃい」と手を振っている。若者たちがそれに応えて、笑顔で「いってきます」と返事をする。
あたたかいはなむけの言葉に、富山に全く関係のない人も、心を揺さぶられるのではないだろうか。
富山県は、2024年中に人口が100万人を下回る可能性があるという。若年層が県外に出て行ってしまうことが、大きな課題のひとつだ。
そんな中で県は、若者たちを県内に留めようとするのではなく、夢を後押しし、あたたかなエールを送る。
それは、「富山県との心理的なつながり」を感じてもらうため。
頑張ってきてね。大丈夫、いつでも帰りを待っているよ――巣立っていく若者たちには、そんな思いが伝わったに違いない。