カップ麺で「地元で愛される推しチェーン」再現 明星が仕掛ける新シリーズ第一弾は...広島から「和歌山ラーメン」が参戦!?
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百二十七回 明星食品「ばり馬監修 豚骨醤油らーめん」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百二十七回目となる今回は、ローソン限定で発売された明星食品のカップ麺、「ばり馬監修 豚骨醤油らーめん」をレビューします(※馬は口偏に馬)。

「ばり馬」は、広島を中心に中国地方を中心に国内外に店舗展開するラーメンチェーン店です。
「ばり馬」は広島のラーメン店だけど...
今回のカップ麺は「地元で愛される推しチェーン」の第一弾。明星食品が新たに繰り出す、地元で支持を集めるチェーン店をピックアップしたシリーズです。

広島のラーメンと言えば、最近はシビレが強力な「汁なし担々麺」が席巻している印象を受けますが、元来の「広島ラーメン」といえば豚骨醤油ラーメン。「陽気」や「寿々女」といった全国的に知名度の高い名店もあります。
また他にも、広島市内の「広島つけ麺」、県内では背脂醤油味の「尾道ラーメン」や「福山ラーメン」も有名です。
今回のカップ麺は広島のラーメン店が供する豚骨醤油ラーメンなので、当然ながら地元の「広島ラーメン」なのかと思いきや......実は「新・和歌山ラーメン」を標榜する和歌山系の豚骨ラーメンを供するお店。
メッシもびっくりの華麗なトリックプレーでフェイクをかましてきています。
ちなみにお店では豚骨醤油に背脂を加えたメニューもあり、「尾道ラーメン」的な要素もあるのかもしれません。
「ばり馬監修 豚骨醤油らーめん」の内容物

内容物は別添袋が3つ。
「液体スープ」と「粉末スープ」の2種のスープが入っているので、厚みのある味が期待できそうです。
カップには細めのノンフライ麺のみ入っており、麺量は65グラム。

別添袋3つのうち、「粉末スープ」と「かやく」はお湯を入れる前の先入れ。
「かやく」にはチャーシューやメンマ、ネギが入っていました。
高額カップ麺(税別308円)としては麺が少なめな上、シンプルな構成に映ります。
和歌山ラーメン豚骨醤油味のスープ

豚骨ベースに鶏も加えた豚骨醤油味スープは真っ茶色。広島ラーメンの豚骨醤油スープは薄い色のものが多いのに対し、和歌山ラーメンは濃い醤油色が特徴なので、今回のスープの見た目は完全に和歌山ラーメン。
立ち上る湯気からも強い醤油の香りが漂っています。

関西は薄口醤油のイメージが強いですが、醤油発祥の地とされる和歌山は、古くから濃口醤油の産地となっています。
ちょっとベタつくような甘みを伴った濃厚感のある豚骨に、香りの強い醤油が合わせられた今回のスープは和歌山ラーメンのど真ん中という印象。特に和歌山ラーメンの名店「井出商店」の味が好きな人なら、かなり満足できるのではないでしょうか。
一方で、醤油の香りがとても強いのに塩気はそれほど強くなく、むしろ塩気とは対極にある、豚骨コラーゲンが溶け出したようなきめ細かなとろみ、後を引く甘みや香りが感じられるのも特徴的でした。
ただ塩気は穏やかですが塩分はそれなりに多いので、スープの飲み過ぎには注意が必要です。
歯切れの良い細めのノンフライ麺

麺は細めで緩やかに縮れのついたノンフライ麺。
歯切れの良い低加水麺食感で、和歌山ラーメンの硬めの麺の雰囲気がしっかり再現されています。
スープが濃厚なのに麺が細いのでバランス悪そうですが、麺の硬め食感が濃いスープとしっかり渡り合っていて相性抜群でした。

具はチャーシュー、メンマ、ネギの組み合わせで、オーソドックスな具の構成となっています。
チャーシューはそれほど大きくなく、メンマはまずまず入っているものの、具の量は全体的に少なめ。
スープや麺の出来が素晴らしいので、それに比べると具は多少見劣りしているように感じました。
価格を考えれば、麺ももう少しボリュームが欲しかったですが......。
広島で愛される和歌山ラーメン
広島で愛される「ばり馬」監修のカップ麺。広島ながら和歌山ラーメンど真ん中のスープが特徴的でした。
濃い醤油の香りが漂いながらも塩気はおとなしく、豚骨を煮出したようなとろみや甘さが感じられるスープは本格的。
あっさりな広島ラーメンに比べるとかなり濃厚な豚骨醤油ですが、たまに羽目を外す感じでいつもより濃厚な和歌山ラーメンが食べたくなるのかもしれませんね。