ロングシートの普通列車が「夜行列車」として運行 「もはや修行」なプランにネット困惑も...発売1時間で完売の理由とは
参加する猛者、居るの?
取材に応じた同社経営企画課の山田直哉さんによると、えちごトキめき鉄道ではこれまで、ボックスシートもある413系・455系観光急行車両で、夜行列車イベントを行ってきた。
しかし、その車両が3月末まで検査で運休に。その状況下で出てきたアイデアが、
「じゃあ普通列車を夜行列車にしたら面白くない??」
というモノ。「令和の普通夜行列車」発案の瞬間である。
まあ、思いついたのはいいとして、こんなストイックすぎる旅に参加したい猛者、存在するだろうか。疑う記者に山田さんは信じがたい事実を教えてくれた。
なんと、販売1時間後に全16席が売り切れたというのだ。
まじで? ロングシートしかなくて、ただただ線路を2往復するイベントが、1時間後に完売?
もしかして、何か記者が知らなかった魅力を秘めているのだろうか。例えば、夜景が超キレイとか?
「まったく見えないです......」(山田直哉さん)
夜景、まったく見えなかった。追い打ちのように「暖房は効いていますが、寒いかもしれませんので、自分で防寒対策してください」とも語る。
夜通し電車に乗るのに、ロングシートしかない・車窓風景は楽しめない・寒いかもしれない・どこかに行けるわけでもない。
そんな4つの「ない」が揃ってしまった夜行列車が、即完売する理由とは? 山田さんは、こう推測する。
「他では決して味わえない非日常が味わえるからではないでしょうか」
――非日常。確かにこのイベントには、「ここでしか体験できないこと」が沢山ある。
ロングシートを占領して横になることひとつとっても、他の電車でやったらマナー違反になるし......。
そう思えば、なんだか面白そうだ。