「赤ちゃん連れで帰宅ラッシュの電車に乗ったら『邪魔』。目の前の中年乗客に突き飛ばされて...」
前から押され、捉まる場所もなく...
調停が終盤に差し掛かっていたある日、私は心配していてくれた友人と少し過ごすことになりました。
そしてその帰りがちょうど帰宅ラッシュの時間と被ってしまい、数か月の次男を前に抱えたまま電車に乗ると、目の前の50代くらいの乗客に「邪魔」と言われ、前から押されてしまったのです。
しかし、捕まる所もなく転びそうになった瞬間、周りに居た会社員風の方々が支えてくれ、そのまま引っ張られる様に空いた席に座らせてくれました。
その後私が降りる駅まで、お互い知人でもないだろう方々が席の周りに立って私達にぶつからないように壁を作って立っていてくださって......。
私はその壁の中で嗚咽してしまうほど泣きながら、下を向いて、ただただ「ありがとうございます。ありがとうございます」と言い続けていました。
降りる時は更に助けてくれる方が増えていて、降り口までスムーズに連れ出してくれました。
その方達は終始無言でしたが、電車を降りた後も私は頭を下げ続け、無言でも皆さんの温かさに感謝し続けました。