「地元でトップの進学校に通っていた私。ある日の放課後、ひとりで教室掃除してた先生を手伝ったら...」(東京都・30代女性)
シリーズ読者投稿~自慢になってすみません~ 投稿者:サミーさん(東京都・30代女性)
東京都在住のサミー(仮名)さんは、些細なことでも何かをしてもらったら、「ありがとう」と伝えるように心がけている。
そのきっかけは、地元・岡山の高校に通っていた時のある出来事で......。
<サミーさんの体験談>
地元・岡山の県立高校に通っていた頃の出来事です。
3年生の定期考査が終わり、長期休暇に入る前。担任の先生と母が保護者面談を行いました。
学校は県内トップレベルの進学校でしたが、お世辞にも成績優秀とは言えない私は、後で母になんて怒られるのだろうと身構えていたのですが......。
「あんた、この間先生の...」
自宅に帰ってきた母は上機嫌で、私に「あんた、この間先生の掃除手伝ったんだって?」と言いました。
面談では勉強の話しかしないと思っていたのですが、母に聞くと先生は、ある出来事について話したらしいのです。
それは、ある放課後のこと。先生が教室の掃除用具入れから箒を取り出して清掃を始めました。
生徒はもう部活も引退した後で、ひとり、またひとりと帰り始めています。でも、わたしにはなんとなく「先生に掃除させるなんて......」という後ろめたさがありました。
というのも、わたしの家は祖父母、父母共に少し時代錯誤かなと思うくらいマナーや礼儀に厳しく、長幼の序や恩師への礼儀の類いからくる罪悪感があったのです。
そこで私は「やりますよ」と声を掛けて一緒に掃除を始めました。すると先生は、凄くびっくりした声で「いいの?助かるわぁ、ありがとう!」と喜んでくれ、終わったあとも感謝してくださいました。
見返りなんて求めていなかったけれど
そして、先生は保護者面談でもそのことについて「感動しましたし、嬉しかったです」と母に伝えていたのです。
「勉強勉強の生徒達のために自分がやらなければと考えていましたが、先生が頑張る姿を見てくれていたんだなってやる気も出てきました。お母さんからも今1度お礼を伝えてください」
先生は、そう仰ったのだとか。
罪悪感で手伝った私の中にも、嬉しさが残りました。見返りなんて求めていませんでしたが、「ありがとう」って言葉だけでこんなに嬉しくなるなんて......。それ以降、罪悪感ではなく、純粋に喜んで貰えるなら助けになろう、と思えるようになりました。
感謝のひと言でこんなにも人って変わるんだな、と思います。
社会人になってもう10年が経ち、今では後輩を持ったりもしますが、下の子が相手でも些細なことでもたくさん「ありがとう」を言うように心がけています。
誰かに聞いてもらいたい「親切自慢」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆さんの「感謝してもらえて嬉しかったこと」を募集している。
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)