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「恋人と喧嘩後、1人で外出した時にすれ違った見知らぬ車。目的を済ませて帰ろうとしたら、その車が停まってて...」(神奈川県・50代女性)

Jタウンネット読者

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2023.10.14 11:00
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Sさん(神奈川県・50代女性)

ある雨の日、大学生のSさんは1人で湖を見に行くことにした。

かつて恋人と2人で訪れた思い出の場所だった。

車を発見(画像はイメージ)
車を発見(画像はイメージ)

<Sさんの体験談>

大学生だった時、理由は忘れてしまいましたが、お付き合いしていた人と喧嘩してしまい、どうしても気持ちがおさまらず、一人で湖を見に行くことにしました。

一度、恋人に車で連れて来てもらったところに、どうしても行きたくなったのです。

湖に止まる1台の車

その湖は、都内ではありますが、電車を乗り継ぐ必要があり、最寄駅からも離れた場所にあります。

駅から舗装されてはいるけれど人通りはない道を歩き、湖へ。その日は雨も降っていました。

湖を一通り散策し、寒いし誰もいなかったので帰ろうとしたところ、行く途中ですれ違った車が駐車しているのが目に入りました。

その車を通り過ぎる時に、乗っていたそれほど年配ではない男性と女性に「どこいくの?」と声をかけられました。

行きも帰りも出会った同じ車の人に声をかけられて(画像はイメージ)
行きも帰りも出会った同じ車の人に声をかけられて(画像はイメージ)

「一通り歩いたので帰ろうと思ってたんです」と伝えると、「それなら近くの駅まで通り道だから、乗って行きなさい」と誘ってくれました。

とても自然に、にこやかに、その自然な言葉につい甘えてしまいました。

心配しているという風でもなく...

車に乗せてもらうと、女性は後部座席に座った私に「大丈夫?」と、心配しているという風でもなく、とても自然に「知り合いに同じくらいの子供がいるので、話してみたかったのよ」と言ってくださいました。

何を話していたのかは覚えていませんが、とても居心地の良い時間でした。

正直、私はとても落ち込んでいて、それでも普通にしていたつもりでした。

雨の日の湖に一人で20歳前後の女子学生がいるなんて、あまり良い光景とは思えないと思いますが、私は特に何かしようというわけではなく、ただ、自分の気の済むようにしたかっただけだったのです。

湖に女性一人という見慣れない光景(画像はイメージ)
湖に女性一人という見慣れない光景(画像はイメージ)

でも、そんな私を見かけて、私が身を投げたり、良からぬ思いに囚われたりしてはいないかと、心配して声をかけてくださったのだと後で思いました。

それでも、あの時のお2人はとても自然ににこやかに「あなたのような人と話ができて良かったわ」と言ってくださいました。

こちらが恐縮するようなことも、余計落ち込むようなこともなくて、私ももっと一緒にいられたらなんて、思ってしまうような、そんなお2人でした。

「あんな人になれたらすごいなぁ」と、送ってもらった麓の駅で思いました。

あの時触れた忘れられないひとの心の温かさ。おかしなことですが嬉しかったのです。

30年以上経ちますが、人の暖かさを思い出す時は決まってこのことを思い出します。

心配をかけてしまいごめんなさい。待っていてくださってありがとうございます。

雨の日の湖には行きません。心配してくれる知らない人が私にはいるのだから、もう行かない、と思いました。 あの時は本当に、ありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)