「ベビーカーに荷物を乗せて運んでいく夫婦。その後ろでは小さな子が階段から落ちそうになっていて...」(大阪府・50代女性)
シリーズ読者投稿~自慢になってすみません~ 投稿者:Uさん(大阪府・50代女性)
Uさんはその日、駅で階段を降りようとする男の子を見かけた。
転げ落ちそうだったその男の子を見かねて、Uさんが彼を手助けすると......。

<Uさんの体験談>
わたしが30代前半の頃のことです。ベビーカーに大荷物を乗せ、両手に買い物のビニール袋を持った夫婦が前を歩いていました。
夫婦の後ろを見ると、本来ベビーカーに乗るはずの男の子も、おぼつかない足取りでトコトコと歩いています。
「こりゃ無理やわなぁ」
彼らの歩く先には20段ほどの下り階段が。その夫婦は、先にベビーカーや大荷物を必死におろしながら、「おりられるかなぁ」と男の子の方を振り返りました。
しかし、当の男の子は手すりに手が届かず、先に行ってしまった両親に慌てた様子。最上段で届かない手すりに手を伸ばしています。
「このままだと焦って階段を転がり落ちるかも......」
そう思ったわたしは、「こりゃ無理やわなぁ」と内心苦笑しながら、彼がびっくりして落ちないように、声はかけずに手を伸ばしました。
男の子はためらいもせずわたしの手を握り、私達は普段からの知り合いのように、一緒に階段を降りました。

それを見た夫婦は、「あ! 知らない人と......」と恐縮しながら、わたしにお礼や謝罪をしてくれました。
わたしの手には彼の手の柔らかさが、胸にはためらいもなく手を握ってきた子供の無邪気さが残って、忘れがたい記憶です。
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