「『誰か助けて!』後ろから突如聞こえてきた悲鳴。振り返ると高齢女性が血を流し、そばには無表情の息子が立っていて...」(富山県・50代女性)
シリーズ読者投稿~自慢になってすみません~ 投稿者:Sさん(富山県・50代女性)
Sさんは30代前半の頃、ショッピングセンターのエスカレーターに乗っていた。
その途中、大きな声で怒り気味に話す高齢の母親と、若い息子が乗って来て......
<Sさんの体験談>
30代前半のある日、ショッピングセンターで2階から1階までエスカレーターで降りていたときのことです。
身体が大きくて足が弱っていらっしゃるご高齢のお母様が、おそらく心身に障害のある20代~30代の息子さんに、何かワアワアと言いながらエスカレーターに乗って来ました。
やや怒り気味というか、興奮気味の大きな声に、ついチラ見したのを覚えています。
恐怖に満ちた顔で「誰か助けて!助けて!」
少しして、ドタっという音とともに悲鳴が聞こえました。振り返るとそのお母様が下向きにうつ伏せで倒れていて、顔には血らしきモノも見えました。
「誰か助けて!助けて!」と恐怖に強張った顔で叫んでいました。
息子さんは、無表情でぼーっと立ったまま。
周りの人もどうすることもできずに、そちらを見て固まったように立ち尽くしていました。
私は20代の頃、仕事で都内の大きなショッピングビルに出向していたことがあり、緊急時の訓練を定期的に受けていました。
だから、残り1/3ほどになったエスカレーターを駆け降りて、脇にある非常停止ボタンを押すことができました。
子供を家に待たせていたので、近くにいた店員に事情をササッと伝えた後は、ご本人と周りの人が説明してくれるだろうと思い、そのまま帰ることにしました。
倒れたまま、私に叫ぶ高齢女性
お母様は倒れたままの格好でしたが、命の危険は無くなったと一番理解されていたのでしょう。
私に向かって「ありがとう!ありがとう!」と、泣き笑い顔で叫んでくださっていました。
当時は本当に、「エスカレーターの非常事態訓練を受けていた私がこの場にいてよかった!迷わず動けてよかった!」と「やったー」とは違う、なんとも言えない自己満足な気持ちになりました。
田舎のショッピングセンターで、エスカレーターには全部で10人~15人程度だったから被害が最小限で済んだのですが、場合によっては私や他の人も巻き込まれていたかもしれないですしね......怖。
誰かに聞いてもらいたい「親切自慢」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆さんの「感謝してもらえて嬉しかったこと」を募集している。
読者投稿フォームもしくはtwitter.com(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(誰にどんな親切をしたのか、どんな反応が返ってきたかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)