「旅の途中で出会ったずぶ濡れの男。『必ずここに電話して』と渡された番号にかけてみると...」(新潟県・60代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Iさん(新潟県・60代男性)
Iさんは40年ほど前、九州の阿蘇でバイクツーリングをしていた。
途中で土砂降りにあって一休みしていたら、ずぶ濡れの男が現れて......。
<Iさんの体験談>
今から40年ほど前、バイクツーリングで九州の阿蘇へ行った時のことです。
やまなみハイウェイまで登ったら土砂降りになり、雨具を着て一休みしていると1台のバイクが登って来ました。乗っていた男性は雨具を持っておらず、ずぶ濡れに。
「これあげるから使って」とタオルを渡して、しばらくツーリング話などをしました。
「今すぐに行くからそこで待ってて」
雨が上がると、彼は別れ際に電話番号を書いたメモを渡し「帰りに別府を通るなら必ずここに電話して」と言って帰って行きました。
夕方、別府を通る時に公衆電話から連絡すると、彼はこう言いました。
「今すぐに行くからそこで待ってて」
そして彼は私を自宅へ招待してくれたのです。お母さんの料理と麦焼酎とバイク話で夜遅くまで過ごし、布団も用意してもらいゆっくりと休ませて頂きました。
翌朝起きると彼は仕事で会えませんでしたが、朝食まで用意されていました。なんとお礼を言ったらいいのかも分からず、お母さんに見送られて出発しました。
道中電話番号のメモもなくしてしまい、連絡手段もないまま今日に至ります。
携帯がないあの時代、名前も年齢もお互い分かりません。写真もなく、記憶に残っているのは彼がグリーンのカワサキに乗っていたことだけです。
あの日の出会いと親切にされた事は私の人生一生の思い出で宝物です。
ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)