般若心経をニャンコで表現! 「猫寺」の住職が自ら描いた「絵心経」が良すぎる件
2023年8月18日、次のような写真がX(ツイッター)に投稿され、ネコ好きの間で話題になっている。
添えられていたのは「般若心経をにゃ(猫)で表した手ぬぐい良すぎるから見て」というつぶやきだ。
ネコの前に広げられているのは手ぬぐいだ。真ん中に大きくお釈迦様が描かれている。
その周りをびっしりと埋め尽くすのは、なんと「はんニャ~しんぎょう」。主にネコのイラストと共に、「般若心経」を紹介しているのだ。
投稿者である「熱海 Muddy Cat」(@muddycat_atami)は、熱海市にある"猫に会えるかもしれないバー"。手ぬぐいは、お客さんにもらったものだという。
「こちらは山口県の雲林寺というお寺で手に入るそうです。猫寺、いつか行ってみたい」ともつぶやいていた。
「般若心経」の手ぬぐいは、いったいなぜ作られたのか? Jタウンネット記者は、山口県萩市にある雲林寺を取材した。
構想5年、住職自らイラストを描いた
雲林寺は、江戸時代初期からネコと縁がある。現在は、大小さまざまな猫の置物をはじめ、「猫みくじ」や猫の御守、猫の絵馬などがあり、「猫寺」と親しまれているそうだ。
雲林寺住職の角田慈成さんが「般若心経」の手ぬぐい(猫バージョン)を作ろうと思ったきっかけは、「絵心経」を見たことだったという。「絵心経」とは、字が読めない人のために般若心経を絵で表現したものだ。これなら、難解な漢文が読めなくても、般若心経を唱えることができる。
「絵心経」をヒントに、雲林寺らしいものが作れないかと考えた角田住職は、お寺の名物でもある猫をモチーフに、制作に取りかかる。構想5年、イラストから製品まで自ら手がけ、オリジナル商品「猫寺絵心経」を完成したのは、2015年だった。
般若波羅蜜多の「はんにゃ」は猫が般若の顔をしている。「はら」は猫が腹を出して寝ている姿だ。「みた」は猫が物陰からジッと見ている。なんともユーモラスなイラストだ。見ているだけでも楽しいが、ひらがなを読み上げると、誰でも自然と般若心経を唱えることができる。
「難しいことは考えずに、楽しんでもらえばいいのですよ」
「皆さんに少しでも親しんでもらえれば......という思いで、始めたことですから」
と、角田住職は穏やかに話してくれた。
ところでこの手ぬぐいを入手したいと思った人は、山口県萩市の雲林寺へどうぞ。1枚500円。「猫寺絵心経 経本」もあるそうだ。ネコ好きにはちょっとこたえられない場所かもしれない。