「税金泥棒と揶揄され差別されていた私。初めてのバイト先では、最初の給料支給日に...」(愛知県・50代男性)
社長さんの一言がきっかけで...
児童養護施設の運営は自治体が行い、原資は税金です。
私たち養護施設の子供は様々な場所で人から「税金で食べている憐れな子供」と噂されたり、「税金ドロボウ」などと揶揄され差別され、快く扱われるのはまず稀なこと。そんなことが、当時は社会的にも普通で、弱者は虐げられたのが当たり前の時代でした。
子供の私には抗うことができず、絶望と屈辱に打ちのめされていたのです。
しかし、社長さんの一言が、私の未来の扉を開けてくれました。
養護施設の子供は16歳になる前に施設から出て自立しなければならないのですが、アルバイトをするには法的に色々な障壁があります。
そのことを知っている木工さん達をはじめ施設の職員さんや役所の方々、そして見ず知らずの善意の人々......。
私の知らない所でたくさんの大人たちが、陰に日向にひとりの児童の自立のため尽力をしてくれていたのを知ったのは、ずっと後になってからでした。
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