「夏の墓地には1人で行かないほうがいい」 現役僧侶が語る「本当にある怖い話」
「本当にある怖い話です。夏のお墓参りは出来れば2人以上で行ってください。墓地には1人で行かないほうがいいです」
2023年7月10日、ツイッター上でこのようにつぶやいたのは、長崎県大村市にある長安寺の僧侶・吉田武士さんだ。
お寺の僧侶が伝える本当にある怖い話。どんな怖い話かというと――?
吉田さんの真意は次の通りだ。
真夏のお墓は日陰が少ないことも多く、灼熱です。もはや石焼き料理です。草むしりするだけで熱中症にもなります。蜂も蛇もいます。怪我をすることもあります。独りでお墓で倒れると発見も遅れて危険です。
特に高齢の方は、お墓参りにはできる限り同伴者と行くことをオススメします。ご家族が「お墓参り一緒行こうか?」と声かけするのもいいと思います。気温が上がりすぎない早朝や夕方に行くのも一案です。これからの時期のお墓参りには、休憩、水分、同伴者、お忘れなく。
吉田さんが伝えたかったのは、怪談ではなく、灼熱の真夏に一人でお墓参りに行くと、もし熱中症などで倒れてしまった場合、発見が遅れてしまう可能性があるという「怖い話」――つまり、注意喚起だったのだ。
一人で行かなければならない場合は
Jタウンネットの記者は14日、吉田さんに注意喚起を行った理由を聞いた。
吉田さんは、猛暑による墓地での事故を減らしたいと思い、毎年定期的に注意を促しているという。
「毎回、Twitterの引用リツイートなどでも『私もなりかけました』や『親戚がそれで亡くなりました』などの事例が見られます。お墓での熱中症、想像以上に多いのではないかと思います」
実際に吉田さんも長安寺のお墓で熱中症になった参拝者を介抱したことがあるそうで......。
「70代くらいの男性がお一人、8月上旬の午前中でした。お寺の境内の墓地の一角で座りこんでグッタリされていました。経口補水液、氷などで応急処置、救急車を呼びました。命に別状はなく、安心しました」
もし、どうしても1人でお墓参りに行かなければならない場合は、屋外での基本的な熱中症対策が必要だと吉田さん。
「涼しい時間帯を選ぶ、事前に行くことを誰かに伝える、墓地管理者や墓地ですれ違う他の墓参り客と挨拶を交わしておくことも大切かと思います」
そして、1人でお墓参りに行った時に体調が悪くなっ場合は、「躊躇せずに助けを求めてほしい」と訴えた。