人生で一度はやってみたかった! 夏の九州国立博物館では、死んだ王様を甕棺に入れられます
皆さんは、死んだ王さまを棺に入れたことがあるだろうか?
......まあ、ほとんどの人はないだろう。でも大丈夫。これから体験できる。
2023年8月11日、福岡県太宰府市にある九州国立博物館でこんなイベントが開催されるのだ。
\王さまが死んだ!/ 甕棺に入れよう
同館の公式ウェブサイトによれば、ワークショップ「王さまが死んだ! 甕棺に入れよう」では、死んでしまった王さまを甕棺(かめかん)という棺に入れる劇を行う。そして終了後には、参加者が甕棺に入ることもできるという。
こんな攻め攻めのイベント、どんな経緯で生まれたのだろう。Jタウンネット記者は7月11日、九州国立博物館を取材した。
みんな「甕棺」に入りたい
同館企画課の職員によると、甕棺の埋葬体験ワークショップは2022年8月に初めて行われた。23年8月のイベントは2回目だという。
ユニークすぎる企画が立ち上がった理由を、職員はこう説明する。
「甕棺に入りたい人が多かったんです」
同館では15年から、考古学好きの女性を対象とした活動「きゅーはく女子考古部」を行っている。その中で甕棺に入ったような写真が撮れる企画を行ったところ、好評を博した。
甕棺に入りたい人が多いことに気付いた同館は、人が入れる甕棺のレプリカを作成。22年5月に実施した古代体験イベント「きゅーはく女子考古部presents 古代の宴へようこそ!」の中で、「甕棺墓埋葬体験」を開催した。
こちらにも多くの参加者が集まったことで、第1回目の埋葬体験ワークショップ「伊都国王のお葬式」が実現したのだという。
「ヤバい!これはアツい」「強い」
22年8月の「伊都国王のお葬式」は、甕棺への埋葬手順や方法を盛り込んだ寸劇を行い、終わった後に甕棺に入り記念撮影するという流れだったのだが、ある問題が生じた。
劇を中断して行っていた甕棺についての解説が、子供の参加者にとっては難しかったのだ。
23年8月のワークショップ「王さまが死んだ! 甕棺に入れよう」では、その問題も改善される。
「今年は『やさしい日本語 de きゅーはく2023』とタイトルにもつけているように、わかりやすい優しい日本語を使って開催します。昨年は解説で話していた内容も劇の中に盛り込みました。演じることで理解がしやすくなると考えております」(企画課の職員)
参加者にはセリフはないものの、甕棺を運ぶ、土を掘る、棺に入れる、副葬品を入れるといった役が割り振られる。なお、甕棺に入れられるのは、魏志倭人伝に登場する「伊都国(福岡県糸島市付近にあったと考えられている)」の王さまという設定とのこと。
このかなり攻めた企画は6月、ツイッター上で話題に。
「ヤバい!これはアツい 甕棺って一生に一度は入ってみたいよね!!(色んな意味で一生に一度)」
「鼻水出た 王様死んだ!甕棺入れよ!は強い」
「面白いとぶっ飛びと学びのバランスが絶妙」
などさまざまな声が挙がっている。
「王さまが 死んだ! 甕棺に 入れよう」は、23年8月11日に開催予定(10時30分~12時、14時~15時30分の二部制)。
申し込みは7月15日12時開始。各回10人ずつの参加なので、気になる方はお早めに。
九州国立博物館:ワークショップ「王さまが死んだ! 甕棺に入れよう」