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富士そば、衝撃の「カレーパンカツ丼」を開発するも発売ならず 3年後の気付き→「そのまま食うのが一番ウマイ!!」

井上 慧果

井上 慧果

2023.06.02 18:00
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「自宅に余りの『カレーパン』があるみなさんへ...
聞こえますか...
あなたの心に直接語りかけています...」

2023年5月27日、「名代富士そば」の公式ツイッターがそんな文言からはじめた「呼びかけ」が話題となっている。カレーパンを余らせている人に、名代富士そばが伝えたいことは、何なのか。

つぶやきは、こう続いている。

「今すぐ玉子で綴じてごはんの上に乗せてください...
カレーパンとごはんは意外と合います...
カレーパンを玉子で綴じるのです...」

カレーパンを、卵でとじて、ごはんの上に乗せる? 富士そばはいったい何を言っているのだ。

どういうことなのかまるで分からないが、富士そばは「未発売」と注釈をつけて、画像も投稿していた。

つまり、こういうことらしい。

カレーパンを、卵で...?(画像は名代富士そば公式ツイッターより)
カレーパンを、卵で...?(画像は名代富士そば公式ツイッターより)

......いや、どういうこと?

カレーパンのアレンジに奔走

富士そばは以前にもご飯の上にきりたんぽを乗せた炭水化物の暴力「ミニきりたんぽ丼」なるものを試作、ツイッターに投稿しており、Jタウンネットでも取り上げたことがある(ハイカロリーにも程がある! 富士そば・秋田出身スタッフ考案「きりたんぽそば&きりたんぽ丼」が暴力的すぎた)。

それが今度は、カレーパンを、ご飯の上に豪快にドン! ......富士そばにはどうやら、炭水化物on炭水化物が大好きなスタッフがいるようだ。

この世にも奇妙な丼に対し、ツイッターでは

「カレーパン丼だと...
そんなの出されたら...
部活帰りの男子中学生が大喜びしてしまうではないか!!!!!!」
「や、やるしかないなあ」
「そばにコロッケも行けるんだから、カレーパンも行けるな」

などの声が。多くのユーザーを興味津々にさせてしまっていた。

かくいう記者も、その一人。いったい、どんな経緯でこんなユニークな試作品が誕生したのか。そしてなぜ「発売」に至らなかったのか。気になりすぎる。

5月30日、名代富士そばの広報担当者を取材したところ、注目を集めたメニュー――その名も「カレーパンカツ丼」を最初に試作したのは2020年春のことだった。

「当時、コロナが始まった頃で、自宅の電子レンジで簡単に作れる富士そばのカツ丼の作り方を広めようとYouTubeに動画を投稿するなどしていました。また、同時に、店舗でカレーパンの販売も検討しており、そのアレンジのことも考えていたため、この2つが合わさって『カレーパンカツ丼』が生まれました」(広報担当者)

その後、富士そばでは様々なカレーパンのアレンジを検討、試作した。もちろん、そばの上に乗せてみたりもした。

もちろん、そばにも乗せてみた(画像は名代富士そば公式ツイッターより)
もちろん、そばにも乗せてみた(画像は名代富士そば公式ツイッターより)

だが23年春、それまで多様なアレンジを加えてきたカレーパンをふとそのまま食べてみたところ、"ある事実"に気づいてしまったのだと広報担当者は語る。

「カレーパンのことを本気で考えたら、そのまま食べるのが一番美味しかったんです」

――その結果、カレーパンカツ丼も、そばも、販売には至らなかったそうだ。

カレーパン そのまま食うのが一番 ウマイ!(画像は名代富士そば提供)
カレーパン そのまま食うのが一番 ウマイ!(画像は名代富士そば提供)

なお、そのときの思いをTシャツにしようとデザイン案までは考えたそうだが、こちらも実現には至らなかったとのこと。なんでだ、販売してくれ!

広報担当「レシピ動画がYouTubeにあります」←やってみた

ところで......Jタウンネット記者はここまで話を聞いて、どうしても「カレーパンカツ丼」を食べてみたくなってしまった。何とか自作をしたいのでレシピを教えてもらえないか、と広報担当者に頼むと、なんと富士そば公式YouTubeにレシピ動画が投稿されているとのこと。

これは有難い。ということで、さっそく作ってみた。

材料はこちら(画像は編集部撮影)
材料はこちら(画像は編集部撮影)

用意するのは、カレーパンと、卵、たまねぎ(20グラム)、砂糖(15グラム)、しょうゆ(20ミリリットル)、水(60ミリリットル)、顆粒だし(3グラム、画像は和風粉末だし)、ご飯だ。

まずは皿に、砂糖、顆粒だし、しょうゆ、たまねぎを入れてよく混ぜ、ラップをして電子レンジ(500W)で1分。

その後、そこにカレーパンと卵を入れてラップをし、さらに電子レンジで2分加熱すれば、「名代富士そば式 カレーパンカツ丼」の完成だ。

かなりドキドキしながら調理して......出来上がったのがこちら。

カツ丼じゃん!(画像は編集部撮影)
カツ丼じゃん!(画像は編集部撮影)

見た目は、完全にカツ丼である。

しかし、箸で掴んで持ち上げてみると......。

あふれるカレー(画像は編集部撮影)
あふれるカレー(画像は編集部撮影)

カレーパンだ。

いや、だが、そうと知らなければパンとは思わないだろう。ちょっぴりデミグラスがかかっているトンカツにも見える。

つまり、気になるのはその味。

ということでおそるおそる口に運んでみて......完全に脳が混乱してしまった。

見た目はめちゃくちゃカツ丼なのに、味はめちゃくちゃカレーパン。

甘めのだしがしみたカレーパン、なぜだか美味しい。甘めのだしとピリ辛のカレー、とてもよく合う。しかし、とはいえ、完全にカレーパンだ。

それだけで十分完結しているのに、周りには卵や玉ねぎ、そしてご飯があるので、ついつい一緒に食べてみる。すると不思議と、なんとなく、カツ丼を食べているような気分にもなってくる。カツなんて、どこにもないのに......。

今回の「カレーパンカツ丼」が話題となったことを受け、名代富士そばの広報担当者は

「なぜか販売していない商品が話題になりがちなんですが、それでもいいと思っています。
富士そばは、立ち食いそばは面白いんだよ、ということが皆さまに伝わればと思うので、これからも楽しいことを続けていきたいですね」

とコメントしていたが、確かに、このカレーパンカツ丼、見てるだけでなく、食べてみてもかなり面白い。

不思議な食体験をしたい、という方は名代富士そば公式YouTubeチャンネルで作り方をチェックしてみてはいかがだろう。記者から言えることがあるとするならば、カレーパンはそのまま食べるのもウマイが、アレンジしてもウマかった――と、思う。

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