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裸の仏様「わたしに服を着せてみませんか?」 奈良国立博物館の「人気イベント」が斬新すぎる

大山 雄也

大山 雄也

2023.05.02 20:41
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一糸まとわぬ姿の仏様に服を着させてあ・げ・る――聞くだけでもぞくぞくしてくるようなワークショップが2023年5月4日、奈良国立博物館内にある『ならはく教育普及スペース「ちえひろば」』で行われる。

その名も「ほとけさまに服を着せよう!」だ。

仏様「わたしに服を着せてみませんか?」(画像は奈良国立博物館 Nara National Museum, Japan@narahaku_PRのツイートより)
仏様「わたしに服を着せてみませんか?」(画像は奈良国立博物館 Nara National Museum, Japan@narahaku_PRのツイートより)

その名の通り、裸の仏像のレプリカに服を着せるという内容のワークショップだ。4月30日に奈良国立博物館のツイッターアカウント(@narahaku_PR)が投稿した告知画像では、仏像のレプリカが「わたしに服を着せてみませんか?」とセリフを吹き出している。

ユニークなイベントの告知には、ツイッター上でこんな反応が寄せられた。

「トンチキ企画すぎるwww」
「阿弥陀如来をすっぽんぽんにしちゃうセンスよ。いや、好きよ。奈良のこういうとこ大好きよ。
でも何なんだろう、この湧き上がってくる罪悪感のような申し訳ないような感情は」 「なんだか見てはいけないものを見てしまった感があるな・・・>裸の仏様
面白い良い企画!」

複雑な感情を抱いている人もいるようだが、どういった経緯で考案されたワークショップなのか。5月1日、Jタウンネット記者は奈良国立博物館教育室の研究員に話を聞いた。

昔の人々もやっていた

教育室の研究員によると、ワークショップで使われるレプリカ仏像は奈良国立博物館が所蔵している鎌倉時代に作られた「阿弥陀如来立像(裸形)」が元になっている。博物館側が「すっぽんぽん」にしたわけではなく、もとから裸の像なのだ。

「裸のまま崇めるのではなく、かつて人々は仏様に衣服を着せて崇めていたとの研究もあるんです」(教育室の研究員)

この説をきっかけの1つとして、教育室の研究員がイベントを発案。自分の手で仏像に服を着せることで、「人間と仏様の体の違い」や「どのように仏様が服を着ているのか」を学べるように、という狙いがある。

ワークショップ開催時の様子(画像提供:奈良国立博物館、編集部でモザイク加工)
ワークショップ開催時の様子(画像提供:奈良国立博物館、編集部でモザイク加工)

「ほとけさまに服を着せよう!」は22年8月に初めて開催。参加者から好評を得て、毎月1回のペースで実施される企画に。ただ、告知のツイートが4月30日の投稿ほどリツイートやいいねを集めたことはなく、館内の職員も驚いているという。なお、5月1日夕時点で、リツイートが約600件、いいねが約800件である。

仏像のレプリカは原寸大で、高さは約1メートル。服を着せた後に一緒に写る記念撮影も人気だ。奈良に訪れた際は、国立博物館で仏様に服を着せた思い出を作るのはいかがだろう。

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