「手術の日の夜、熱と痛みに苦しんでいた中学生の私。病院のベッドの上でもがいていると、同室の男性患者が...」(宮城県・40代性別不明)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Eさん(宮城県・40代性別不明)
数十年前のその日、Eさんは病院で扁桃腺を切除した。
無事に手術は終わったものの、その夜は高熱と痛みに苦しむことに。すると、同室に入院していた若い男性が......。
<Eさんの体験談>
中学生時代のことです。私は耳鼻科で、急に腫れだした扁桃腺を切除することになりました。人生で初めての手術です。
当時受けた扁桃腺の手術は、手術室ではなく普通の診察台で、局所麻酔をして切るというもの。ほかの患者さんもいる空間が、簡単なカーテンで仕切られただけの空間で、私は不安と恥ずかしさでいっぱいでした。
熱と痛みで朦朧とする意識の中...
手術は無事に終わり、その日は入院することになりました。夜間の付き添いは必要ないということで、親も帰宅したのですが、夜になると高熱が......。
私はどうしようもできず病室のベッドの上で苦しみ、寝ることも出来ずにもがきました。
するとそこに誰かが現れ、額に冷たいタオルをそっとのせてくれたのです。
熱と痛みで朦朧とする意識の中、少しだけまぶたを開けると、同じ病室に入院中の若い男性がいました。私の手術より大変な、慢性副鼻腔炎の手術を受けていた人です。
その人は夜の間に、何度もタオルを交換して、額にのせてくれました。
おかげで翌朝には熱が下がり、私は無事、退院することができたのでした。
男性の正体は...
その人がしてくれたことを親には伝えたのですが、中学生の私は恥ずかしさもあって、直接お礼を言うことができませんでした。
退院した後に親から聞いたのですが、その人は自衛官の方だったそうです。
自分も手術を受けて入院していたにもかかわらず、見ず知らずの私の看病を、何も言わずにしてくれるなんて、本当にカッコイイと思いました。
30年経った今でも感謝の気持ちを忘れられません。本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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