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帰省の途中、「このまま死んでしまうかも」と怯えた新婚夫婦 2人の前に「無敵のカウボーイおじさん」が現れて...

井上 慧果

井上 慧果

2023.01.07 11:00
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「このまま死んでしまうかも」と思ったとき...

大晦日の誰も通らないような大雪の山の中、ついに車がスタックし、動かなくなったのです。その間にも雪はさらに降り積もっていきます。

外に脱出したとしても、どうしようもない。そんな状態になってしまいました。車内で妻と、「このまま死んでしまうかも」と、半泣き状態に。

山の中で、もちろん近くに民家などありませんし、当時はまだ携帯の電波も届かないような場所でした。

どのくらい時間が経過したのかも覚えていません。ふと、後ろの方から車の明かりが見えました。 その車は大型のSUV。それが後ろに止まった瞬間、「助かった」と思いました。

車から降りてきたのは、スコップを持ち、作業着のような服を着て、テンガロンハットを被ったおじさんでした。私たちには、ヒーローに見えました。

テンガロンハットを被った「ヒーロー」が登場(画像はイメージ)
テンガロンハットを被った「ヒーロー」が登場(画像はイメージ)

まるでカウボーイのようなそのおじさんは、私たちが県外から来たのだと思ったのでしょう。

「東北の冬をなめちゃだめだよー」

と笑いながら、車を押したり、牽引したりしてくださり、なんとかまた走り出すことができました。

その後も私の車は何度もスタックしてしまいましたが、その度に後を走るそのおじさんに助けてもらいました。途中からは「先に走るから後ろをついてきて」とおじさんの"無敵SUV"に誘導していただき、無事に山道を抜け出すことができました。

カウボーイおじさんは、そのまま車で走り去っていきました。

実家に着いたのはちょうど新年を迎える10分ほど前。雪道との7時間にも渡る死闘を終えた私と妻は憔悴しきっていましたが、生きていることの喜びを心から感じました。

大晦日に実家に帰省する度に、あの時助けてくれたカウボーイおじさんへの感謝の気持ちと、それをまともにお伝えできなかった後悔を思い出します。

翌年、四駆のSUVを買いました。

あのおじさんに恩返しはできないかもしれないけど、次は私が同じように誰かを助けることができればとおもいます。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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