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チープだけれどキラリと光る セイコーマートのPBカップ麺は「当たり」だらけ!

オサーン

オサーン

2022.06.05 11:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第八十三回 セイコーマートのカップ麺

文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第八十三回目となる今回は、北海道の名物コンビニ「セイコーマート」のプライベートブランド「セコマ」から最近発売されたカップ麺をレビューします。

大手コンビニでは、廉価なものから高額な名店再現系まで自社ブランドのカップ麺を取り揃えていますが、セイコーマートでは一貫して安価を追求した商品が販売されています。

セイコーマート「セコマ」ブランドのカップ麺
セイコーマート「セコマ」ブランドのカップ麺

「セコマ」ブランドのカップ麺は安価で多種類

セイコーマートは、北海道の名物コンビニで、北海道の他に茨城県や埼玉県にも展開しています。

店舗がほぼ北海道に集中しているにも関わらず、全国のコンビニチェーン店舗数ランキングでは全国第5位(日本ソフト販売調べ、2022年版)。都会から田舎まで北海道内の様々な場所にあり、道民に愛されるコンビニとして全国的にも有名で、Jタウンネットでもセイコーマート関連の記事がよく掲載されていますよね。

「セコマ」ブランドの商品
「セコマ」ブランドの商品

セイコーマートでは、「セコマ」というプライベートブランドで様々なジャンルの食品が展開されています。

カップ麺もタテ型、どんぶり型、そして焼そばなど多岐にわたる商品が常時20種類近く店頭に並んでおり、頻繁に新商品も登場させています。すべて100円前後で売られる安価な商品となっています。

「ジンギスカン」や「山わさび」、「スープカレー」といった独特な視点の商品があり、約2年前にも食べ比べてみたことがあります

しかし、それ以降も新商品が登場。今回は、「セコマ」ブランドの比較的最近発売されたカップ麺をいくつかご紹介していきたいと思います。

帯広の豚丼の味を再現!?「豚丼味の焼そば」

「豚丼味の焼そば」
「豚丼味の焼そば」

まずは、帯広など十勝地方のご当地料理「豚丼」の味を再現したカップ焼そば、「豚丼味の焼そば」。北海道のコンビニであるセイコーマートらしい商品と言えるでしょう。

製造は、北海道名物「やきそば弁当」シリーズも作っている東洋水産の北海道工場で、「やき弁」のDNAをしっかり継承しています。

見た目はまったく豚丼らしくない
見た目はまったく豚丼らしくない

豚脂を効かせたポークベースの醤油味ソースに、中細の縮れ麺と、挽肉やキャベツが合わせられています。

ソースが絡んで褐色の麺に挽肉とキャベツの組み合わせ――見た目まったく豚丼感ナシ。「セコマ」ブランドの「山わさび焼そば」や「ジンギスカン焼そば」と外見上の違いがほとんどありません。

豚丼にもジンギスカンにもまったく寄せる気のない姿は、もはや様式美と言えるのかもしれませんね。

食べてみると、豚脂が分厚くて豚の旨みがしっかり感じられる一方で、十勝の豚丼らしい甘いたれの味はほとんどなく、見た目のみならず味も豚丼感はあまりありませんでした。

結論としては、豚の味が強めの普通においしいカップ焼そばです。

「ユッケジャン風ラーメン」はジェネリック「辛ラーメン」?

続いては、北海道のご当地料理から一気にお隣の国に飛んで「ユッケジャン風ラーメン」。製造はエースコックです。

「ユッケジャン」とは唐辛子で辛味をつけた牛肉と野菜のスープ。

最近はスーパーでも韓国のインスタント商品で溢れていますが、「セコマ」ブランドでも韓国風のカップ麺がラインアップ入りです。

「ユッケジャン風ラーメン」
「ユッケジャン風ラーメン」

中辛程度の辛味がついた味噌味ベースのスープで、牛脂やシイタケの風味が感じられます。

特にシイタケが強く、「ユッケジャン風」というよりも、韓国の「辛ラーメン」をちょっとチープにしたような味。

ジェネリック「辛ラーメン」として重宝しそうです。今や100均でも「辛ラーメン」は買えますが......。

大量唐辛子が辛くて香ばしい「激辛ねぎみそラーメン」

「ユッケジャン風ラーメン」でちょっと辛さが物足りないと思ったら、「激辛」と銘打たれている「激辛ねぎみそラーメン」という商品もあります。

経験則上、「激辛」と自分で名乗る商品の半分は激辛じゃない気がしますが......この商品はどうでしょうか。

「激辛ねぎみそラーメン」
「激辛ねぎみそラーメン」

ニンニクを効かせた味噌味のスープで、液体スープを用いることによって味噌のコクが強く感じられます。

スープには辛味はほとんどつけられていませんが、具に大量の唐辛子とネギが入っており、辛味と甘味が加えられています。

激辛とまでは言えない辛さですが、辛さだけではない香ばしい唐辛子とネギの甘みによって、独特な辛味噌ラーメンとなっていました。

チープではありますがおいしいです。

旭川ラーメン「蜂屋」風?「焦がし醤油味ラーメン」

今度は激辛から離れて、「焦がし」に着目した2商品を食べていきます。

まずは「焦がし醤油ラーメン」。製造はエースコックです。

「焦がし醤油味ラーメン」
「焦がし醤油味ラーメン」

焦がし風味の醤油味のスープ。具はショボいですが、スープはなかなか本格感があり、ちょっとクセになりそうな香ばしさがあります。

豚骨スープのほのかな甘みの中で、醤油の香りと焦がし風味の香ばしさが光っていました。

北海道・旭川ラーメンの名店として知られる「蜂屋」は焦がしラードを加えた醤油味のスープが特徴ですが、その雰囲気が何となく感じられます。旭川ラーメンは豚骨と魚介のWスープなのに対し、この商品のスープは豚骨オンリーでまったく別物ですが、敢えてゆるく旭川ラーメンっぽくしているところが「セコマ」ブランドらしいと言えるかもしれませんね。

個人的には、今回最もおすすめしたい一杯でした。

フライドガーリックが強烈!「焦がし鶏白湯ラーメン」

続いての「焦がし」な一杯は、どんぶり型カップの「焦がし鶏白湯ラーメン」。

製造は「ニュータッチ」や「凄麺」でおなじみのヤマダイが担当。

「セコマ」のカップ麺は、タテ型はエースコック、どんぶり型はヤマダイ、そして焼そばタイプは東洋水産が製造している場合が多いようです。

「焦がし鶏白湯ラーメン」
「焦がし鶏白湯ラーメン」

まろやか系の真っ白な鶏白湯スープに、焦がし風味をほのかに効かせていますが、そのどちらよりも具のフライドガーリックが目立ちます。

「焦がし鶏白湯」というより「ガーリック鶏白湯」の方が相応しいと思えるほどです。

同じ「焦がし」で括っているように見せかけつつ、実は「焦がし醤油ラーメン」とはまったく別物の味というのが面白いですね。

煮干しと玉ねぎの本格派「煮干塩ラーメン」

激辛と「焦がし」の次は、魚介に着目した商品を2品紹介します。

まず、タテ型カップの「煮干塩ラーメン」。こちらも製造は他のタテ型カップと同様、エースコックとなっています。

「煮干塩ラーメン」
「煮干塩ラーメン」

読み方は「にぼししお」なのかもしれませんが、「にぼしお」と呼びたくなりますね。

煮干しを効かせた塩味のスープで、これだけでも結構煮干しは強いのですが、ふりかけの煮干し粉末を加えることで、さらに厚みが増します。

煮干しと相性の良い玉ねぎの風味を効かせることで、安価品とは思えない本格的な煮干しスープだと感じました。

麺は他の商品と使い分けられており、歯切れの良い低加水食感の麺を使用。煮干しスープとの相性が考慮されていました。

勝手な推測ですが、他の「セコマ」ブランドの商品と比較すると、最も原価が高い商品なのではないでしょうか。

香るホタテだし「貝だし醤油ラーメン」

続いての魚介は、こちらも製造はエースコック製造の「貝だし醤油ラーメン」。

パッケージには「北海道産ホタテだし使用」と書かれており、安価品ながらもこだわりが感じられます。

「貝だし醤油ラーメン」
「貝だし醤油ラーメン」

チキンベースの醤油味のスープに、ホタテがふわっと香ります。

もっと高額なカップ麺だと、滋味が苦いと感じるほど濃い貝だしもありますが、今回のスープはそこまでの濃さではありません。しかし、きちんとホタテの存在が感じられます。

高額品でもこんなに貝だしが感じられないものも多くあるので、本格的なのにちょっと驚きました。

魚介2品はどちらも「当たり」。それぞれ煮干し、ホタテの存在がしっかり感じられる商品でした。

安価ながらキラリと光る「セコマ」カップ麺

「セコマ」のカップ麺は全商品100円程度で買える安価が売りで、中には安価だけが取り柄のような商品もないわけではありません。

しかし今回レビューした商品は、いずれも具はかなりチープですが、安価でもキラリと光るところがあり、すべて「当たり」の部類ではないでしょうか。

話題性では「豚丼味焼そば」ですが、「焦がし醤油」と「煮干塩ラーメン」は安価とは思えないスープの味で、「激辛ねぎみそラーメン」は唐辛子の香ばしさとネギの甘みがクセになる一杯でした。

いずれまた、「セコマ」の新商品を紹介したいと思います。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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