「大混雑の小田急線、周りにはヤンキーたち。何も知らない幼い私が『なんで髪が茶色なの?』と聞くと...」(千葉県・40代女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Nさん(千葉県・40代女性)
幼いNさんはその日、叔母にあうため母と2人で電車に乗っていた。
車内は下校途中の男子学生で一杯。彼らは茶髪でパーマをかけていたり、剃り込みを入れていたり......いわゆる「ヤンキー」風のヘアスタイルだったという。
その時初めて「茶髪」を見たというNさんは思わず彼らに声をかけてしまった。どうして髪の色が、茶色なのか、と......。
<Nさんの体験談>
40年前、私が子供だった頃の話です。当時神奈川県に住んでいた母と私は、母の妹と会うために小田急線で町田へ行くことになりました。
ある駅から乗り換えする時に、ちょうど時間帯が下校時間だったようで学生さんがたくさんホームにいたのを記憶しています。乗り込んだ電車もまた、男子学生さんでいっぱい。
あまり電車に乗る機会がなかったのでウキウキした気分だった私とは裏腹に、母は「参ったな」と言わんばかりの顔をしていました。
車内には「ヤンキー」風の学生。彼らに質問すると...
私と母は周りの学生さんに取り囲まれる形で電車に乗り、本当に混んでいたため、つり革も掴めない場所に乗らざるを得ませんでした。
周りにいた学生さんたちはいわゆる「ヤンキー」。髪の毛は茶色、パーマをかけていたり、剃り込みを入れたりしていました。
今では自分もそれなりの知識がありますが、当時の私は茶髪を見たことがなかったので、思わず彼らの内の1人に聞いてしまいました。
「なんで髪の毛、茶色なの?」
あの瞬間は今でも覚えています。母は何とも言えない顔で私を見ていました(笑)。
すると、尋ねた学生さんがフッと微笑んだのです。
私の質問に答えた後、母に...
「シャンプーが合わなかったんだよ」
彼は私にそう答えると、今度は母に向かって「電車揺れるんで、僕らに掴まってください」と言ってくれました。
母は荷物も持っていたため素直にご厚意に感謝しその学生さんの腕に掴まりました。
私はといえば、別の男子学生さんが話し相手になってくれて、何を話したかは覚えていませんが、町田に着くまで面倒をみてくれました。
電車から降りて発車するまで、私は手を振り続け、学生さん達もずっと振り返し続けてくれました。
その後も小田急線に乗る時にあのお兄さんに「会えるかも!?」と思いましだが二度と会うことはありませんでした。
お兄さん、あの時はありがとうございました。
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