「混みあった小田急線でラッパー風の若者が『どうぞ』。席を譲ってくれたけど、私は感謝できなくて...」(神奈川県・60代女性)
頭を下げて丁重にお礼が言いたい――。
神奈川県在住のJタウンネット読者・Nさん(60代女性)から、電車での体験談が編集部に寄せられた。
それは10年ほど前、彼女が50代になったばかりのこと。
ほぼ満員の車内で立っていたところ、目の前に座る20代くらいの若者が「どうぞ!」と席を譲ってくれたという。
その時彼女の心を占めたのは、感謝ではなく、「まだ譲られるような年齢ではないのに」という戸惑いだった。
言われるがまま席に座ったものの、若者に心から感謝することはできなかったという。
目の前のラッパー風の派手な若者が...
50代になったばかりの頃、私は小田急沿線に住んでいて、その日も新宿駅から30分近くかかる自宅に帰るため電車に乗りました。あいにく帰りのラッシュにあたり、車内はほぼ満員でした。
電車が走り出し、まだ1つ目の駅につかない時です。
目の前に座っていた20代になるかならないかくらいの若者(派手なジャンパーかセーターを着てニット帽を被っていて、一見ラッパー風でした)が、
「どうぞ!」
と席を譲ってくれたのです。
わたしは「ど、どうも......」と言いながら座ったものの、内心は
「え?私まだ50になったばかりなんだけども」
と戸惑いで頭がいっぱいになり、心から感謝出来ませんでした。
「よっぽど疲れた顔をしてたんでしょ」
その出来事を、後で周りに話したところ、
「自分のお母さんと変わらない歳だったからでしょ?」
「よっぽど疲れた顔をしてたんでしょ」
などと言われ、なんだか納得。
考えてみればあの時間の小田急線は、席に座るには1~2本逃して並ばねばならず、彼は多分そうして座ったのに席を譲ってくれたのです。
でもあの時の私は「私って席を譲られるような歳?」とか「こんな見た目の子が席譲ってくれるなんて!」と思うばっかりで、でろくにお礼も言えなくて......。
叶うものなら過去に戻って、頭を下げて丁重にお礼が言いたいです。
今頃きっと優しい素敵な青年になられていると思います。
あの時はありがとう。
せっかくとった席を譲ってくれたのに、ちゃんとお礼が言えなくてごめんなさい。
誰かに伝えたい、あのときは「ありがとう」「ごめんなさい」、ありませんか?
身近な家族や友達はもちろん、今はもう会うことのない疎遠になった知人、偶然出くわした見知らぬ人......そんな相手との、心の「しこり」のような思い出が誰にも1つや2つはあるものだ。
一方で、当時はお礼を言えなかったけれども、今でも温かい思い出として残っている「感謝」のエピソードがある人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは、読者の皆様の「今さらかもしれないけれど懺悔したいこと」や「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。