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「このままロボットに変形しそう」 清水寺で参詣者を迎える「21世紀の狛犬」がカッコよすぎると話題

井上 慧果

井上 慧果

2022.03.05 17:00
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まるでSF映画から飛び出してきたかのような近未来的な「狛犬」が、ツイッターで注目を集めている。

ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe
ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe

こちらが話題の狛犬。メタリックなボディと鋭く光る赤い目が何ともかっこいい。

これは現代美術作家で京都芸術大学教授のヤノベケンジさんが同大学の生徒と共に制作した「≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)」という作品。京都府で開催中のアートフェア「ARTISTS' FAIR KYOTO 2022」の清水寺会場で2022年3月13日まで展示されている。

その様子を映した動画を1日、ヤノベさんが自身のツイッター(@yanobekenji)にて投稿したところ1万8000件を超える「いいね」(4日夕時点)を集めたほか、

「サイバーチックでスタイリッシュなデザインですな...!今にも動き出しそう...!」
「これ絶対ラスボスのダンジョンにいるよね」
「かっこよすぎて言葉が出ません」
「凄い。。このままロボットに変形しそう。。」

といった反応が寄せられ、話題となっている。

「世界を守るための守護獣」として制作された

いったいどんなテーマでこの「KOMAINU」は制作、展示されたのだろう。

Jタウンネット記者は3日、ヤノベさんの公式アーカイブ・プロジェクトの運営チームを通じて、その詳細をヤノベさんに聞いた。

元々「KOMAINU ―Guardian Beasts―」は、19年に「人類の分断や対立構造、国際紛争、多発する自然災害などから世界を守るための守護獣」として、比叡山延暦寺(滋賀県)の「にない堂」に奉納展示するためにヤノベさんが京都芸術大学の学生10人と一緒に制作したもの。

ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe
ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe

ボディはFRP(繊維強化プラスチック)で、顔や鎧の衣装のような部分はステンレスで、目はアクリルで出来ている。

ヤノベさんはこの作品にこめた思いについて

「長く日本に継承されている伝統的な狛犬像に加えて、戦後の文化や価値観やテクノロジー、未来に対するイメージを反映させ、21世紀にふさわしい新しい狛犬像として提示しています」

と語る。また、苦心した点としては「守護獣としての凶暴さ、恐ろしさと、その背景にある優しさ、愛らしさをうまく造形としてまとめること」を挙げた。

2022年、新たな願いを込めて

ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe
ヤノベケンジ≪KOMAINU ―Guardian Beasts―≫(2019)(c)2019 Kenji Yanobe

今回、京都発の芸術家たちによる「未来をよりよく変える祭典」である「ARTISTS'FAIR KYOTO」にこの作品を展示した理由を

「長引くコロナ禍の終息、ロシアによるウクライナ侵攻等が早期解決するよう新たに願いを込めました」

と明かすヤノベさん。

作品がツイッターで注目を集めたことについては

「一貫して、芸術家が社会にどのような役割を果たせるか考え、未来の希望となるイメージをつくることを考えています。そのような想いが通じて、拡散されているようでしたら嬉しく思います」

とコメントしている。

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