猫の手を借り大反響! 全国各地でプリンを売る「アルバイトにゃんこ」が有能すぎ
日本には「猫の手も借りたい」ということわざがある。非常に忙しく、どんな手伝いでもほしい状況の例えだが、世の中には実際に猫の手を借りている場があった。
一体どいうことなのか。まずはこちらをご覧いただきたい。
こちらはツイッターユーザーのすいか (@suikasu123)さんが、2022年2月19日に投稿したもの。新潟県内のイオンで撮影されたという写真にはグレーの毛並みの猫が接客している姿が捉えられている。
接客しているだけでも驚きだが、この猫の活躍はほかにもあった。
なんと、レジ打ちまでこなしている。もはやこれは現実のものなのか疑ってしまう光景だ。
YouTuberの兼業もしていた
すいかさんの投稿は、3万4000件のリツイート、20万2000件のいいね(2月21日18時30分現在)を集める反響を呼び、
「かわいい......小銭も扱えるのか、あのおててでw」
「人手不足だからと、猫の手を本格的に借りるとは......。新しい時代に入ったと実感できる。さすが令和」
「ゴロゴロタイムやチュールタイムは無いのか!?」
など、さまざまな反応が。
ネット上をあっと驚かせた猫の名は、「ミクちゃん」。愛媛県松山市に本店があるプリン専門店「坂の上の猫」の従業員らしい。
ミクちゃんは、アルバイト猫として坂の上の猫で業務に励み、時には全国各地に出張するほか、「ミクちゃんねる」というYouTubeチャンネルまで持っている。
1月24日に公開された「大阪へ出張」という動画を見ると、プリンのシール貼り付け業務を器用にこなし、ショーケースのガラスを拭き掃除し、通行人からの「頑張れ!」という応援に手を振って「ありがとうございまーす」と日本語(!)で対応。ミクちゃん、有能すぎる......。
オーナーのこだわりが詰まった猫ちゃんだった
こんな優秀な猫は、どんな経緯で生まれたのか。2月21日、Jタウンネット記者は、坂の上の猫のオーナー・源田晃一さんに話を聞いた。
源田さんがミクちゃんを生み出したのは2020年11月。物産展などに出店した際、「普通のアルバイトを雇うだけでは面白くない」と考えた。
「猫が従業員だったら面白いと思ったんです。普通のきぐるみでは、ただのキャラクターやマスコットになってしまいます。そこでうちでは働く猫として、レジ打ちや接客もしてもらっているんです。
元々、うちはプリンもおいしくて以前から人気があるんです。そこにミクちゃんが登場してもらってから写真も撮ってもらえるようになりました。商品があふれる世の中で大事なのは、『見たことがある』という感覚です。その点でミクちゃんは写真をSNSで拡散してもらえるし、大きな力になっていますね」(源田さん=以下同)
源田さんは猫が大好きで、プリンの売り上げの一部は保護猫活動に寄付しているという。源田さん自身も5匹の保護猫と暮らしていて、その1匹、3月で23歳になるというティアラちゃんがミクちゃんのモデルになった。
当然、プリン屋の仕事には猫にはやりづらい作業もある。しかし、ミクちゃんはすっかり慣れて、今では文字の筆記、ピアノ演奏もできるように。
「人と同じすることが嫌いなんですよ。誰もやらないことで成功したら先頭に立てます。ミクちゃんも人がやらない設定を考えました」と語る源田さんは、ミクちゃんの話す言葉にまで気を遣っている。
「『~だニャー』みたいな猫語を話すことはありません。丁寧な日本語をミクちゃんは話しています。そこがシュールで面白い」
斬新な設定を武器に、店頭にYouTuberと精力的に活動するミクちゃん。これからさらに活躍していきたいところだが、そう簡単にもいかない事情もある。
「うちはプリンを私1人で作っています。従業員がミクちゃんと私で2人しかいないんです。YouTubeの編集も僕がやっているので、活動量にも限界があります......」
あまり無理はせず、可能な範囲で頑張ってほしい!