「車いすの父を連れ、訪れた大きな祭。あまりの混雑で動けなくなった私たちに、ひとりの学生が...」(岐阜県・60代女性)
岐阜県高山市で、例年春と秋に開催される高山祭。
京都市の祇園祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭とともに日本三大曳山祭の1つに数えられ、豪華な祭り屋台が街中を練り歩く。
Jタウンネット読者のAさん(岐阜県在住・60代女性、仮名)も約15年前、祭り屋台を一目見ようと両親を連れて、秋の八幡祭りが行われる高山市の桜山八幡宮を訪れた。
父親の足が弱っていたため車いすを使っていたのだが、想定より早く人が集まりはじめ、身動きが取れないほどの混雑に。
ついには車いすの上にまで人が乗ってきそうになった、その時。
――1人の若者が、Aさんたち家族の前に現れた。
混雑の中、押し合う人々が...
もう15~6年も前のことです。
10月9と10日に行われる岐阜県高山市の高山祭(秋の八幡祭)に、父母と三人で出かけました。
当時、父は足が弱っていたので、車椅子を借りて、桜山八幡神社へ向かいました。
布袋台のからくり奉納は境内、山車の10台は表参道に並ぶため、私たちは急いで参道を通り抜け、人混みを避けようとしました。
しかし、山車の集合が早く、人もたくさん集まってきて、身動きが取れなくなってしまったのです。
私たちはそのままの状態で道際に居るしかありません。混雑の中で押されて、車椅子の上に乗りかかりそうになる人もいました。そんなとき、ひとりの学生さんが現れました。
車いすの前と人混みの間に立った青年は...
学生さんは、両手を広げて、車椅子の前に立ちはだかりました。そして、大きな声で、
「車椅子の方がいます。押さないでください」
と周りに呼び掛けてくださったのです。
そこから10分くらいで人が動きはじめたので、お礼を言ってその方とは別れました。学生さんは清々しい笑顔でした。
あの時は、気遣っていただいてありがとうございました。私たちは無事に帰りました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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