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どう答えたらいいんだ... 唐突に「わかりますか?」と問いかけてくる謎のパネルに反響→設置の意図を聞いた

松葉 純一

松葉 純一

2022.01.19 08:00
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2022年1月10日、次のような写真がツイッターに投稿され、話題となっている。

「おこめ大統領」(@president_okome)さんのツイートより

一番手前側に設置されているのは、黒地に白抜き文字で、「わかりますか?」という問いかけだ。なんの前ぶれもなく、突然こう聞かれたら、どうだろう?

写真には「ただ漠然とした問いが急に現れて怖かった」という呟きが添えられているのだが、もっともだ。「おこめ大統領」(@president_okome)さんが投稿したツイートには、5万9000件を超える「いいね」が付けられ、いまも拡散している(1月14日現在)。

ツイッターにはこんな声も寄せられている。

「これはリアル脱出ゲームだな」
「脳に直接くるタイプだ」
「(このあと、あなたがどんな結末を迎えることになるか、)わかりますか? みたいな怖さがある」
「なんかもう、わかるわからない、どっちに答えてもBADENDになりそう」
「わからないということがわかった」
「ちょっとわかんないです」
「シンプルに怖い」

どうやら怖い系ゲームの、意味ありげなメッセージを連想する人が続出したようだ。そんな人たちの妄想をかきたてるシチュエーションにも見える。

いったいここは、どこなのだろうか?

急に現れた「わかりますか?」

投稿者「おこめ大統領」さんのツイートによると、「わかりますか?」と急に問いかけてきたのは、埼玉県秩父市の地酒「秩父錦」の醸造工場に酒蔵資料館、物産館を併設した観光酒蔵「酒づくりの森」(秩父市)。話題のツイートに続けて

「秩父にある『酒づくりの森』というところです。 高さ3~5mの樽に鬼みたいな量の日本酒が入ってたり、大量におつまみが売ってて面白かったです
わかりますか?」

と呟いている。Jタウンネット記者は12日、「おこめ大統領」さんに話を聞いた。

「1月9日、秩父旅行に行った際に、朝早くから楽しめる施設を探していたらここにたどり着きました。こちらは日本酒造りの歴史の展示なのですが、ここに行くまでは案内の方がおりました。ですが、こちらの展示前で案内の方と別れて、自分たちだけで見ておりました。
そんな中、展示物に紛れて急に現れたので、訳も分からず撮影しました」(「おこめ大統領」さん)

「わかりますか?」のサインボードがあったのは、資料館の中。日本酒造りの歴史の展示のコーナーだった。

画像提供:矢尾本店

銘酒「秩父錦」を醸造する矢尾本店は、江戸時代中期の1749年、近江出身の初代・矢尾喜兵衛が、この地に開業したという。この資料館には270有余年の歴史を物語る酒造りの道具や資料、酒器等が多数展示してあるそうだ。

Jタウンネット記者は、資料館を運営する矢尾本店にさらなる詳細を聞くことにした。

「わかりますか?」と聞かれても......

「わかりますか?」という掲示板の意図は、何だろう? Jタウンネット記者が尋ねると、矢尾本店の担当者は

「もちろん、展示されている酒造りの道具について、です」

と答えた。「どんなものが展示されているか、早速、画像を送りますよ」と、即刻、メールで送ってくれた。

以下、矢尾本店に保存されている、江戸時代から伝わる酒造りの道具だ。日本酒に詳しい方なら、貴重な資料であることは充分におわかりかもしれないが......。

画像提供:矢尾本店
画像提供:矢尾本店
画像提供:矢尾本店
画像提供:矢尾本店
画像提供:矢尾本店

ここで「わかりますか?」と問われても、日本酒造りの工程は難しくて......とても「わからない」。

ただ、ずらりと並んだ道具の数々から、日本酒を造ることがいかに大変な作業なのか――そのことはおぼろげながら想像することはできそうだ。

矢尾本店のホームページには、次のように記されている。

「銘酒『秩父錦』。
埼玉県・山梨県・長野県の三県にまたがる甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)に源を発する荒川水系の良質な水に恵まれ、澄んだ空気と寒暖の差の激しい気候の中、美味しい酒造りに欠かせないすべての条件が揃った自然環境の中、長年に渡ってこの地方でしか造れない日本酒を育んできました。
その伝統の味と製法を守りながらも、現代の名工が造り出す新しい味わいは『全国新酒鑑評会』で七年連続金賞を受賞するなど、高い評価を頂いております。秩父で産まれ秩父で愛される地元の銘酒。この土地の酒ならではの個性を発見し、驚きと感動の味わいをお楽しみください」

「わかりますか?」の問いかけに「わからない」と答えるしかなかった記者でも、良い酒の味はひょっとしたら「わかる」かもしれない。

今度、秩父に行って、「秩父錦」を味わってみようと思った。

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