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種子島から、光り輝く弧を描いて...「ロケットの軌跡」を捉えた1枚に絶賛の声

松葉 純一

松葉 純一

2021.12.27 18:00
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2021年12月23日、次のような写真がツイッターに投稿され、話題となっている。

別所隆弘(@TakahiroBessho)さんのツイートより
別所隆弘(@TakahiroBessho)さんのツイートより

撮影者の別所隆弘(@TakahiroBessho)さんによると、種子島宇宙センターより打ち上げられたH-IIAロケット45号機だという。大空に向かって、どこまでも伸びる光の弧。海面に広がる光の反射。なんと素晴らしい光景だろう。

別所さんは「物理と数学の極地に、人の熱意や想いが加わって、こんなに美しい弧が描かれる。最高にロマンじゃないですか?」というコメントを添えている。

打ち上げられたロケットの軌跡を捉えた写真には、5万2000件を超える「いいね」が付けられ、ツイッターでは絶賛の声が止まないようだ。

「これはロマン溢れる1枚ですね」
「様々な人が携わって創り出すロマンに惹かれました」
「真っ暗闇の寒空の下 怖くなって帰宅してしまいました が! このお写真を観たら 観られなかった後悔も一気にふき飛びました」
「美しい。実世界で人が起こす現象で、この数学的な美しさ。現実世界の様々な外乱の上での物理学で理想的な放物線。本当に様々な学問の局地を体現してる凄いゾクゾクワクワクする写真や!」
「美しい弧に痺れますね。前方のお山は、開聞岳(924m) ですね。頂上に登ったことありますよ」
「初めて見る瞬間? 2分間を閉じ込めた一枚に感動しました」
「別世界のような... ロマンを感じます」

Jタウンネット記者は、この写真を撮影した別所隆弘さんに詳しい話を聞いてみた。

「0時32分に発射!」

JAXA種子島宇宙センターの発表によると、2021年12月23日午前0時32分、通信衛星Inmarsat-6 F1を搭載したH-IIAロケット45号機が打ち上げられた。

投稿者・別所隆弘さんは種子島ではなく、九州のとある海岸沿いの公園から、その様子を撮影したという。

「撮影時の状況は、実は結構慌ただしいものでした。予定が23時32分の発射の予定だったのですが、23時頃に一度発射のカウントダウンが止まってしまいました。(発射を見るために)公園に集まった人たちもカウントダウンが止まって一斉にざわつき始めます。そもそもが前日発射予定だったものが、天候不良で22日に変更されたこともあって、『これは今日もダメかも』と、なんとなくそんな雰囲気が漂い始めた頃、公園内の誰かが大きな声で『0時32分に発射!』と伝えてくれました。
その瞬間、深夜の公園は、一気にボルテージが上がったような雰囲気になりました。もちろん深夜ということもあって、皆歓声を上げるようなことはせず、じっと『その瞬間』を待つだけなのですが、なんとなく安堵感と、それからきたる発射に向けた高揚感とが混じり合ったような、独特の雰囲気でした。発射のタイミングでは、延期の時間を教えてくれた方が、2分前からカウントをしてくれたので、全員がその声に合わせてシャッターを押すのを固唾を飲んで待つような感じです。
これもまた、本当に独特の感覚でした。完全に時刻通りの発射だったので、ロケットの発射は本当に精密な計算と計画が必要なんだなと改めて思いました」(別所隆弘さん)

まさに興奮冷めやらぬといった印象だ。宇宙やロケットが大好きだという別所さんは、今回はまったくのプライベートの旅で、念願のロケット撮影だったという。

「このワンショットのためだけにきました。普段撮影となると、1泊2日でも数千枚撮ることも多いのですが、今回はこのショットと動画を含めても5カットしか撮ってません。ロケットだけが目的だったんです。とはいえ、撮れなかったらそれはそれでいいかとも思っていました。前述のように、ロケットの発射はちょっとしたことで延期をするのは覚悟の上でしたので、あくまでも見に行く、あるいは『経験を積む』のが主目的でした。仕事ではなかったので、撮れたらイイなくらいの感じです。撮れちゃったので、相当ラッキーですね」(別所隆弘さん)

実際にH-IIAロケット打ち上げを見た感想を聞くと、こう答えた。

「最高の一言です。まるで夜明けのように一瞬水平線が赤く輝いたかと思うと、加速度を増しながらどんどんと空にその光が上がっていきます。一瞬途中で雲に巻かれて『ああ、見えなくなるかも!』と僕も周囲のカメラマンもざわついたのですが、それもすぐに雲の上に出て、あとは美しい放物線を夜空に描いてくれました。物理と数学によって緻密に計算された、人間が作り出した最も美しい軌跡の一つのように感じました」(別所隆弘さん)

別所さんの言葉を読みながら、もう一度、写真をご覧いただきたい。

この美しい軌跡は、英国インマルサット社の第6世代通信衛星を、日本の企業・三菱重工業のH-IIAロケットが打ち上げるという、国際的なプロジェクトだった。この打ち上げの様子を、英国でリアルタイムで見た人たちもいたのだろう。

JAXA種子島宇宙センターの公式アカウントからは、次のようなツイートも投稿されている。

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