「3歳の娘が、車のドアをロックしてしまった。鍵は中にささりっぱなしで、外から開けられなくなって...」(沖縄県・60代女性)
鍵を車内に置いたまま、車のドアのロックがかかってしまった――。
沖縄県在住のJタウンネット読者・Hさん(仮名、60代女性)から、そんな大ピンチに陥った時のエピソードが寄せられた。
その日Hさんは、3歳の娘と一緒に車で出かけていた。
当時、新聞配達の仕事をしていた彼女。車の中で娘が寝ているうちに、配達を進めようとしたという。
ところが、気付けば娘が起き、車から降りてきてしまっていた。
ドアはロックがかかった状態。車のキーや家の鍵、お金に携帯――それらはすべて車の中に置きっぱなしで......。
なんとか電話は借りられたものの...
三姉妹の末娘がまだ3歳の頃のお話です。私は当時、少しでも生活の足しになればと、朝の新聞配達をしていました。
その日、夫は長女と次女の空手の大会に付き添って本土に行ってて、家には私と三女だけ。いま思えば私もお休みをもらって一緒に行けばよかったのですが、私のしていた新聞配達の仕事は皆勤賞じゃなくなると給料が減ってしまうので、仕方なく三女を車に乗せて配達に向かいました。
三女が車内でぐっすり寝ているうちに新聞を配り終えようと、私は車を降りて急いで配達を進めていたのですが......。
三女が目を覚まして外にいる私を見つけ、車をロックして降りてきてしまったんです。
あと数軒で配り終えると思っていたのに......。
残りの新聞も車のキーも家の鍵も、車の中。わずかしか持っていなかったお金も、携帯も同様です。エンジンもかかったままでした。
「叱らないであげて!」
私は泣きそうになりながら、配達先のガソリンスタンドの警備員さんに事情を説明し、電話代をお借りして鍵屋さんに車を開けてもらうよう電話しました。しかし、「万が一鍵が開けられなくても1万円の料金はいただきます」とのことで、いよいよ途方にくれてしまいました。
その時、夜勤を終えて仮眠をとっていただろうガソリンスタンドの従業員らしき金髪のお兄ちゃんが声かけてきたんです。
「僕開けられるかもしれない」
そう申し出てくれた金髪のお兄ちゃんにお願いすると、彼はハンガーを使って器用に私の車のロックを解除してくれました。
びっくりするやらホッとするやらでしたが、一方でどうしても気が収まらなかった私は、三女を叱りつけてしまいました。
すると、その様子を見ていた金髪のお兄ちゃんが、
「叱らないであげて! お母さんに褒めてもらおうとロックしたはずだから」
と言ってくれたんです。
「あのときのお兄ちゃん優しかったね」
その後、私はお礼もそこそこに慌てて新聞を配り終えてから、金髪のお兄ちゃんへ渡すためのお菓子と飲み物をいっぱい買ってガソリンスタンドに持って行きましたが、すでに彼は帰った後でした。
それから時がたち、三女も24歳になりました。あの時のことはいまだに覚えているらしく、今でも「あのときのお兄ちゃん優しかったね」と言います。
そのガソリンスタンドはもうありませんが、あのときの金髪のお兄ちゃん、ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
新聞を配達する、ごく短い時間だから......。そう思って幼い娘を寝かせたままだったのだろう。
しかし、Hさんのようなピンチに陥ってしまうこともあるし、もしかしたらもっと別の事故に繋がっていたかもしれない。とにかくこの時、「金髪のお兄ちゃん」がいてくれて、よかった。
皆さんは、彼のようにピンチを救ってくれた「ヒーロー」に出会ったことがあるだろうか。
Jタウンネットではそんな人に向けて伝えたかった「ありがとう」を募集している。
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