沖縄の博物館に「アベノマスク」展示される 真意はどこに?学芸員に聞いた
「10年、20年、50年後の人々に...」
取材に応じた学芸員によると、この布マスクは同館で開催中の「新収蔵品展」(10月22日~12月26日の開催予定)で展示されている。
これは、2020年度に同館が採集したものや寄贈されたものを、来館者に見せることを目的にした企画展だ。
ある学芸員のアイデアで、国民に配布された布マスクをそのまま展示することにしたという。現在は未開封の状態だが、今後は虫食いなどを防ぐために燻蒸(くんじょう。防虫・防カビ等のために薬剤をいぶして蒸すこと)などの処理を行うそうだ。
この「布マスク」には、展示物としてどのような意義があるのか。そう尋ねると、学芸員は次のように答えた。
「2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、市民生活にも大きな影響があり、多くの方々がお亡くなりになったり、経済活動や人々の活動も自粛を余儀なくされるなど、悲しい出来事が続いた年でした。
その年に政府をはじめ、国民一人ひとりが感染症対策にどのように努めたのか、どのような対策をとったのかを10年、20年、50年後の人々に紹介する資料の一つとして、当館学芸員に配送されたマスクを収蔵したものです」
同館では、沖縄県内で開催されたイベントの関連グッズや看板など、市民の生活や世相をあらわすような物を収蔵し、展示などに活用しているという。
現在、新型コロナ関連の展示は「布マスク」のみだが、コロナ禍を記憶するものとして文章・写真も含め、多様な資料の収集も進めているとのことだ。