日本って、こんな風になってるんだ 「人が住んでいるところを光らせた地図」が超興味深い
日本列島全体を俯瞰して見てみたい、という希望を持つ人は多いはずだ。
だが、宇宙飛行士にでもならないかぎり、なかなか期待どおりにはならない。
でも、そんな気分を味わえる日本地図が、2021年9月3日に投稿され、話題になっている。
上の画像は、東京大学空間情報科学研究センター(東大CSIS)『平成27年簡易100mメッシュ人口データ』を使用して、「人が住んでいるところ」を光らせて、可視化したものだという。「煌々と輝く太平洋ベルト、中国山地の隅々に広がる集落など見所いっぱいで、拡大して色々観察したくなる。海岸線に沿って光が連なっているのも興味深い」というコメントが添えられている。
まさに日本列島が浮かび上がっているような、見事なマップだ。夜、飛行機の窓から、これに近い光景を見たような気もするが......。
「にゃんこそば」(@ShinagawaJP)さんが投稿したツイートには、1万9000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している(9月14日現在)。
ツイッターには、こんな声が寄せられている。
「眺めていると新たな気づきがありますね。個人的には中国地方が山間部含めて全体的に明るい(真っ暗な地域が少ない)のが予想外でした」
「光の密集具合で大体の都市圏が分かりますね。ぱっと見、金沢より富山周辺の方が光が大きいので衝撃でした」
「福島県の海外沿いが暗いのが悲しいです」
「阿蘇の外輪山がはっきりわかる」
「北海道スッカスカやなぁ」
Jタウンネット記者は、投稿者の「にゃんこそば」さんに詳しい話を聞いてみた。
「3大都市圏のほか、瀬戸内海や北陸の明るさが印象的」
「にゃんこそば」さんはオープンデータを使って都市の姿を可視化している。
この「人が住んでいるところマップ」も、その得意分野の一貫だ。今回のツイートのきっかけは何だったのだろう?
「個人研究でいろいろな地域の生活利便性(商店や公共施設、交通機関の充実度)を調べていたところ、中国地方では中山間部でも利便性が確保されている地域が多いことに気づきました。
そこで『人が住んでいるところ、住んでいないところ』がどのように広がっているんだろう?と思い、地図作成ソフトで可視化してみました」(「にゃんこそば」さん)
作成しながら、どんな感想を持ったのだろう?
「今回はツイートしなかったのですが、試しに河川を重ねてみたところ、川(谷筋)に沿って居住地が広がっていることに気づきました。地形に加えて、水の得やすさや農業への適性などが影響しているものと思われます」(「にゃんこそば」さん)
また別ツイートでは、「3大都市圏のほか、瀬戸内海や北陸の明るさが印象的」と語っている。
技術的に苦労した点は? と聞いてみた。
「単純に『人が住んでいるところ』を色塗りしただけでは、平地や都市への人口密集度合いが分かりにくく、『都市の輝き』がいまいち伝わりません。ひとつひとつの点をぼんやり光らせるなど、見やすくするための試行錯誤に、少し苦労しました」(「にゃんこそば」さん)
東北・北海道と比べ、西日本では中山間部の隅々まで集落が分布している。にゃんこそばさんのツイートにはその理由についての考察・解説が寄せられ、興味深かったという。
「気温の違いや稲作の普及度合いなど、いろいろな知見をいただきましたので、地方ごとの違いについて深掘りしてみたくなりました」(「にゃんこそば」さん)
「人が住んでいるところマップ」をきっかけに、歴史・文化について、深掘りしてみるのは、楽しいかもしれない。