北陸3県に100店舗超 地元民が愛する「8番らーめん」が初のカップ麺化...一体どんなお味なの?
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第六十ニ回 サンヨー食品「8番らーめん監修 野菜らーめん 塩」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第六十ニ回目となる今回は、ローソン限定で発売されたサンヨー食品の「8番らーめん監修 野菜らーめん 塩」をレビューしていきます。
北陸のソウルフードとして知られるラーメン店、「8番らーめん」の1番人気メニューである「野菜らーめん 塩」が再現されています。
北陸のソウルフード「8番らーめん」が初のカップ麺化
「8番らーめん」は、北陸3県に多店舗展開するラーメン店です。
北陸のグルメと言えば、金沢カレーのチェーン店「ゴーゴーカレー」(本社:千代田区)が東京にも店舗が多くおなじみですが、北陸3県での店舗数なら「8番らーめん」(本社:金沢市)がダントツに多く、その数は100店を超えています。
「北陸のソウルフード」として取り上げられることが頷ける、圧倒的な店舗数です。
北陸地方はジャイアンツファンが多いという土地柄、「8番」とは「さては、社長がジャイアンツの原選手(現監督)ファンだったからかな?」と思いましたが、創業は1967年。
原選手がジャイアンツで活躍するよりずっと前で、店名の由来は石川県加賀市の国道8号線沿いで創業したからだそうです。
実は海外店舗も多く、特にタイの店舗は現在140店。北陸どころか日本国内以上の店舗数を誇ります。
北陸のご当地カップ麺というだけでなく、「タイのご当地麺」と言ってもいいかもしれませんね。
ただの「あっさり」ではない
「8番らーめん」がカップ麺化されるのは今回が初めて。映えある最初の商品では、1番人気である「野菜らーめん 塩」が再現されています。
店では、「野菜らーめん」は「味噌」「塩」「醤油」「とんこつ」「バター風味」の5種類から味を選べます。中でも「塩」と「味噌」が人気のようです。
北陸の方々は「8番」は「塩派」か「味噌派」かで白熱した議論を交わすとか交わさないとか。
別添袋は「仕上げの小袋」1つで、カップには麺やスープ粉末、そしてキャベツやもやしなど野菜を中心にかやく類がたくさん入っていました。「8」の字が書かれたかまぼこも入っています。
スープはチキンベースに野菜の旨み、甘みがたっぷり詰まった塩味。
「8番」のスープはあっさり系だとの評判ですが、単にあっさりとは言い切れない野菜の甘み、そしてややクリーム系のまろやかさも感じられます。
塩味の野菜スープなので、タンメンを思い浮かべるとわかりやすいのですが、タンメンでよくある「胡椒でパンチを効かる」といったことはなく、お子様でも食べやすい味となっています。タンメンよりもさらに甘みが強調されている味と言って良さそう。子連れ目線の味、という感じがします。
スープ表面には、別添「仕上げの小袋」に入っていた油脂が浮いており、これにはもやしなどを炒めた風味がつけられています。基本まろやか系なスープの中に、アクセントとして効いていました。このあたりはかなりタンメンっぽい部分ですね。
名物「ハチカマ」もミニサイズで再現
麺は縮れのついた太い油揚げ麺が使われています。タンメンも太麺が使われていることが多いので、野菜味のスープと一緒に食べるとよりタンメン感が強くなります。
先述のように胡椒を強く効かせているわけではないので、野菜スープに太い油揚げ麺を合わせてしまうと、麺が強すぎてスープの味がわからなくなってしまわないか心配しましたが、野菜の濃い甘みや炒め風味がしっかりしているため、麺とスープのバランスはきちんと取れていました。
お店では、店名にちなんだ「8」と描かれた「ハチカマ」が名物のひとつとなっています。それには合成着色料を使わず、赤い色はパプリカやトマトを使うというこだわりよう。
カップ麺の「ハチカマ」はミニサイズで、4枚(と小さな欠片も)入っていましたが、お店と同様の着色料のこだわりがあるのかはわかりませんでした。
ずっと見ていると「8」じゃなくてだるまか鏡餅に見えてくるような......どちらにせよ縁起が良くていいですね。
帰省や旅行の気分を楽しんで
「ハチカマ」以外にも、チャーシューチップ、キャベツ、もやし、ニンジンが入っていて、特に野菜が充実しています。サンヨー食品のタテ型カップ麺は、スープや麺が素晴らしい一方で、具はあまり入っていないことが多いのですが、今回は「野菜らーめん」の名前通り、野菜がたっぷりで良かったです。
ただ、「激辛!」とか「ニンニク!」とか、わかりやすい特徴があるわけではないので、このカップ麺をひとつ食べて「北陸のソウルフードの魅力」を理解するのはちょっと無理がありそう。
お店の味を知っている人が、味を記憶で補正しつつ帰省や旅行をした気分を味わうのが良いのではないでしょうか。
もしくは、このカップ麺を「8番らーめん」の「名刺代わり」だと思い、いずれ時が来たら北陸新幹線やサンダーバードに乗ってお店を訪れるきっかけになれば良いですね。
もちろんその時は、お寿司やカレー、鱒寿司、お蕎麦など、他の北陸名物も楽しみたいです。