「旅行先でブレーキが故障し、車が山に激突。立ち尽くしていると2人の若者が...」(香川県・60代女性)
「子供たちと温泉に入って待っていて下さい」
33年前、F江さんが一家5人で長野県の山中を車で移動していた時のことだ。
「乗鞍岳に登った後、平湯温泉のキャンプ場まで下る途中の出来事です。下りでブレーキがきかなくなりました」(F江さん)
そのまま彼女たちの車は、山に突っ込んでしまったという。
なんとか九死に一生を得たものの、これからどうすればいいのか......。F江さんたちは、その場に立ち尽くすしかなかった。
33年前というと、1988年。KDDIの「auケータイ図鑑」をみてみると、ここに記録されているもっとも古い携帯電話がこの年12月の発売だった。肩にかける「ショルダーフォン」の時代だ。
今とは違い、誰もがケータイを持っているわけでもなく、助けを呼ぶのも一苦労だろう。
そんな時......。
「私たちの横に1台の車が止まり、乗っていた二人の若いお兄さんがジャフを呼んでくれました。
そして、夕方だったので主人を車のあるところに残して、子供たちと私を平湯温泉まで送り届けてくれたんです」(F江さん)
平湯温泉までの道中でも、そのお兄さんたちはF江さんと子どもたちに、
「ご主人もすぐ降りてこられますよ。それまで、子供たちと温泉に入って待っていて下さい。心配ないですよ」
と言って安心させてくれたそうだ。
あわや山中で野宿か、という窮地から救ってくれた彼らは、まさしくF江さんたちにとっては命の恩人だったことだろう。
「その時入った平湯温泉のお湯と、その夜のキャンプ場でのキャンプファイヤー、長野県人の人情が今も忘れられません。
その後も子供達が大きくなるまで、毎年サバイバルなキャンプを楽しみました。今も思い出すと心が温かくなる出来事です」(F江さん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
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