茨城人に「しみじみしろ!」と言われたら、ノンビリしてちゃダメらしい
しみじみしていないと注意される?
茨城県在住の読者から、編集部にこんなメールが届いた。
「茨城では『しっかりする』『落ち着く』様子を『しみじみ』と言います。
標準語では『心に染み入る』様子を示す言葉ですが、
私が茨城で最初に聞いたのが、転校して早々の学生の頃の全校集会での『しみじみしない』という否定語だったので戸惑いました」
標準語でいえば、心に深くしみわたるといった意味を持つ「しみじみ」という言葉。
なにか綺麗な景色を見たり、美味しいものを食べたときなどに、そのよさを味わうといった場面で使ったりするものだ。しかし、茨城県では違うらしい。
「全国方言辞典(三省堂)」で調べてみると
「しみじみ (茨城の方言)」
として、
「しっかり。ちゃんと。」
と意味が紹介されていた。あわせて、
「さぼってねーで、しみじみやれ
(さぼっていないでしっかりやりなさい)」
との用例も。しみじみやる......。
標準語の意味しか知らないと、なんだか感傷に浸りながらじっくりと何かを進める、といったイメージを持ってしまうが、その認識で茨城県民と会話したら大きなすれ違いが生まれ、さらに怒られてしまいそうだ。
また、同辞典には千葉県の方言としても「しみじみ」が掲載されており、茨城と同様に「しっかり」という意味で使われるとあった。
この「しみじみする」という言葉、標準語でもよく使われることから、方言だと知らずに混乱してしまう人多いのではないだろうか。そこでJタウンネット記者がツイッターで調べてみると、
「夫と今後の事をアレコレいい合った。
その中で『おれがしみじみしないからお前がイライラするんだろう』のように『しみじみ』が数回会話に入ってきた。正直話し合いより『しみじみ』の方言の意味がわからずなんとなくで会話してました」
「茨城の方言で『ちゃんとする』みたいな意味で『しみじみする』っていうのがあるんですが、私の育ったつくば市では親の転勤でよそから来て茨城の方言なんか知らない子ばっかりだったので、小学校で先生がクラスを叱るみたいな場面で『しみじみしろよ!!』とキレられて全員頭の上にハテナを浮かべました」
「しみじみってなんか茨城の方言で、知ってるしみじみと意味合いが違うらしくあれ?ってなったことがある。おとなしくとか沁みるとかそんな意味なのに」
やはり使用地域とそれ以外の地域の人たちの間ですれ違いが起こっているらしい。
茨城県、千葉県の方言に馴染みのない記者(神奈川県出身)も「しみじみしろ!」と突然言われたら、どうすればいいのか戸惑ってしまうことだろう。
誤解のないように、方言かどうかをしみじみ見極めたいものだ。
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