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出口にたどり着けなそう... かつて姫路に存在した、ホラーすぎる「商店街の廃墟」

福田 週人

福田 週人

2021.06.02 18:00
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かつては賑わっていたものの、時代が過ぎていくにつれてだんだんと寂れてしまい、最終的には誰もいないシャッター街やゴーストタウンになってしまった場所というのは、ままある。

今回、まさにそんなゴーストタウンとなっていた兵庫県のとある商店街跡地が「終末感がすごい」「怖い」と、ツイッターで話題になっている。

たしかに「終わってる」といった感じ......(画像は@lorinser_userさんのツイートより)
たしかに「終わってる」といった感じ......(画像は@lorinser_userさんのツイートより)

写真に映っているのは、とあるアーケード商店街。通りに並ぶのはシャッターが下ろされた店舗ばかりで、すでに商店街として機能している様子はない。寂れ果てた街の様子を嘆くかのような「御元気な顔を見せて下さい」という横断幕が、哀愁を感じさせる。

赤い屋根によって建物や道路も赤く染まっており、独特な雰囲気を醸し出している。

こちらの写真に対し、ツイッター上では、

「走っても走っても出口に辿りつかなくなりそう」
「抜けたら別世界に行けそうな雰囲気」
「右上の窓から真っ白い不気味な笑顔が見えそう」
「『これが元気な顔だよ~』ってふざけて言ったら、顔潰されるか、首斬られそう」

といった声が寄せられている。

話題になっているのは、東京都在住のツイッターユーザー・@lorinser_userさんが2021年5月31日に投稿した写真。Jタウンネット記者は6月1日、本人に詳しい話を聞いた。

ここだけ人間が消えてしまったよう

街歩きが趣味で、訪問先などでよく散歩をしつつ廃墟や変わったものを探しているという@lorinser_userさん。話題の写真は、17年4月5日、山陽姫路駅(兵庫県)のすぐ裏手にある、忍町で撮影したものだ。

姫路駅から姫路市営モノレールの廃線跡をたどって西に歩いていた際に偶然見つけた場所で、アーケード中央部の赤の屋根と横断幕に目を引かれ、特に閉鎖もされていなかったので入ってみたのだという。

「当時、アーケード内は退去した直後だったようです。偶然通ったため立ち退きの時期などは分かりませんが、グーグルのストリートビューなどで確認したところ、アーケードが廃墟であったのはそう長い期間ではなく、この後解体されているようです。
ただ、空き店舗になってから長く経っていると思われる建物も多かったです。周辺は古くからの市場だったようで、まだ営業しているお店もありました。全長はあまり長くありませんでしたが、不思議な光景に惹かれて立ち寄ったのを覚えています」(@lorinser_userさん)

@lorinser_userさんは撮影当時を振り返り、

「『御元気な顔を見せてください』とあるにも関わらず顔を見せる相手は居なくなり、また営業していたころと変わらないであろう強烈な赤い光が無人の商店街を照らし続けている景色を見て、『賑わいの場所』としての終わりを迎えていると感じて投稿しました。
立地的にも駅から離れておらず、この周辺には割と人がいたので、ここだけ人間が消えてしまったような感覚だったことも覚えています」

と語った。

Jタウンネット記者は6月2日、この商店街について姫路市にも取材した。

かつては200店舗以上もある卸売市場だった

取材に応じた同市産業振興課の重入義宜さんは、こちらのアーケード商店街について「市としても把握し切れていないところが多い」と前置きをしつつ、

「具体的にこの商店街が機能していた時期は不明ですが、かつては200店舗以上が軒を連ねる青果や魚介類の卸売市場だったようです。
ただ、それも段々と閉業する店が増えていき、市が2017年2月末に現地の調査を行った時にはほぼすべてが空き家・空き店舗になっていました」

と説明。その後、正確な時期は不明だが、2021年6月現在までの間に同地の空き家や空き店舗のほとんどが民間に買収されたことに伴って、このアーケードも解体されたそうだ。

ただ、姫路市では現在、この場所の空き家・空き店舗を買収した民間企業などと話し合い、これらをリノベーションして新しく活用する方法を模索しているという。

重入さんは今後の展望について、

「姫路市は、東側が再開発地域、西側が古い町並みが広がっている地域と、東西で比較的はっきりと特色に差があります。
今回話題になったアーケードの廃墟を含め、これからは古き良き雰囲気は残しつつ西側の町のリノベーションも進めていきたいと考えています」

とコメントしている。

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