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閉じ込められたのは「横手焼きそば」 秋田の「寒天で何でも固めて食べる文化」ここに極まれり

大久保 歩

大久保 歩

2021.05.05 20:00
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ぷるぷるした透明なゼリー状の食べ物・寒天で、焼きそばを固めて食べる地域がある......そんな話がツイッターで注目を集めている。

こちらは、ツイッターユーザーのおいちさん(@oichi0901)が2021年4月12日に投稿したもの。

「『寒天でなんでも固めて食べる文化』は、ここまで来ました」という一文とともに投稿された写真を見ると、どうやら焼きそばを寒天で固めている......?

初めて見るが、はたしておいしいのだろうか。そもそも、「寒天でなんでも固めて食べる文化」とは......?

Jタウンネット記者は28日、この「横手やきそば寒天(肉玉)」を販売している道の駅「十文字」(秋田県横手市)の駅長に詳細を聞いた。

食感は寒天で、味は...

要冷蔵みたい(写真はおいちさん提供)

駅長によると、この商品は道の駅のお客さんから募ったアイデアから生まれたもの。

実際の商品化は、道の駅・十文字で横手やきそばを提供しているお店「福龍」と、主婦の人たちが集った「さくらグループ」が共同で行った。

試作を重ね、4月から満を持して販売スタート。お値段は300円だ。

「『横手やきそば』という名前で売っていいのは、『横手やきそば暖簾会』(編注:横手市でB級グルメ「横手やきそば」を調理・販売する店舗が集結した民間組織。「福龍」も所属)に所属しているお店だけなんです。 この横手やきそばを寒天にして販売しているのは、ここ(道の駅・十文字)が唯一のはずですよ」(駅長)

駅長自身も、この横手やきそば寒天を食べたそう。味の感想を聞くと、

「食感は寒天で、味はうすめの焼きそばですね」

との答え。

では、お客さんの中には焼きそばをそのまま食べるよりも、寒天で固めたほうが好きという人もいるのだろうか? そう尋ねると、

「そこは微妙ですね......」

と、言葉を濁されてしまった。

ますます、なぜ寒天で固めるのかわからなくなってくる。そこで、横手市役所の食農推進課にも話を聞いてみた。

ハレの日のごちそうにも

画像はイメージ

なぜ、横手市では寒天で食べ物を固めて食べるのだろうか。

取材に応じた職員は、

「横手市は雪国ですから、砂糖をたくさん入れた寒天で食べ物を固めて、保存食にする習慣があったと考えられます」

と、見解を話した。

さらに、寒天で固めることで、見た目をきれいに見せる効果もあるそう。

「ハレの日に(寒天で固めた料理を)振る舞ったり、作った人が自分の腕前を見せる意味で提供されることもあります」(横手市役所職員)

横手市民の食卓には、もちろん横手焼きそばだけでなく、ポテトサラダやクルミ、とき卵など、さまざまな食べ物を固めた寒天が並ぶそうだ。

ツイッターに投稿されていたように、たしかに秋田県横手市には「寒天でなんでも固めて食べる文化」があった。その背景には、砂糖を寒天に混ぜて保存食を作っていた事情がある。

今回の投稿に、リプライ欄では

「食べてみたい気もするが、微妙」
「大爆笑してしまった なんでも固めてしまう文化 なんか愛おしい...」
「わっ でも、猛暑の夏に、食べてみたいです」

など、多くの反応が寄せられている。

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