ノートは「そじる」けど、えんぴつは「そじない」 山形人が「標準語にして」と願う便利な言葉
服や紙が古くなったら...
神奈川県在住の50代男性から、編集部にこんなメールが届いた。
「山形の言葉で『そじる』というのがあります。
損じるが転じたものだと思いますが、紙や髪限定で傷むという意味で使います。
布にも使うかもしれません。
本やノートがそじるとは言いますが、えんぴつ、消しゴムがそじるとは言いません」
神奈川県出身の筆者は初めて聞いたこの「そじる」という言葉。
「日本方言辞典(小学館、ジャパンナレッジ版)」で調べてみると、やはり語源は「損じる」のよう。
投稿にあった山形県では
「古くなる」
といった意味でそじる(そずる)と使われていると記載されていた。
それ以外にも「口や目などが損なわれる」といった意味で福島県や岩手県、新潟県の一部で使用されているとのこと。また、熊本県では「娘が男に誘惑される」、鳥取県では「害を与える」「難儀に遭わせる」といった意味でも使用されるとあった。
今回のメールには、紙や髪、布などが傷んだときにのみ使用されるとあり、投稿者はえんぴつや消しゴムには使わないとしている。しかし、辞典には「古くなる」との表記しかない。
実際はどうなのだろうか......。
そこで記者は、山形県生まれで現在も山形県に住んでいる人を取材し、「そじる」について話を聞いた。