「浅い水の中をジャバジャバと歩く」←この動きを一言で表せる方言が高知と愛媛にあった
日本各地に存在する「標準語ではうまく説明できない方言」や「意味が限定的すぎる方言」。
地元であれば一言で意味が通じるのに、いざ標準語にしようとするとどう説明していいか分からない。
何とか言い換えても、細かなニュアンスが上手に伝わらず、もどかしい思いをしている地方民も多いとか。
Jタウンネットでは、そんな方言の情報を募集している。
今回は全国から届いている投稿メールの中から、「ぞぶる」という方言を紹介する。
川などを歩いて渡るときは...
高知県在住の40代男性から、編集部にこんなメールが届いた。
「標準語と思っていた方言です。
ぞぶる=膝上くらいの水の中をジャバジャバ歩いて行く様子
『あそこまでぞぶって行こう』
『ぞぶれば行けるろう』
あまりにも使い勝手がよく、まさか方言とは思いませんでした」
また、愛媛県出身の30代女性からも
「意味が限定的すぎる方言『ぞぶる』です。
川などで、くるぶし上くらいの浅いところを、じゃぶじゃぶと歩くことを『ぞぶる』といいます。
『今日ぞぶりよったらサンダルが流されたけん、大変じゃったんよ』みたいな?」
との情報が。
確かに水の中をじゃばじゃば、じゃぶじゃぶと歩いて進んでいく様子が思い浮かぶ響きである。二つの投稿によれば、若干の差はあれど、そこまで深くはない水の中を歩いていくときに使うみたいだ。
この「ぞぶる」という言葉について、調べてみたところ日本方言辞典(小学館、ジャパンナレッジ版)」には
「川などを歩いて渡る」
という意味で、今回の投稿があった高知県と、愛媛県の喜多郡、伊予郡、そして大分県の旧西国東郡、速見郡で使われているとの記載があった。
またこの言葉は他にも、愛媛県内では
「水や泥などをかき回す」
「壁土などをこねる」
といった意味で、長崎県壱岐島や島根県益田市では
「水につけて揺さぶる」
といった意味で使われているようだ。
いずれにせよ、「ぞぶる」という響きが似合う、水に関わる場面で使われている様子。
浅瀬をじゃぶじゃぶと歩いて進むことがあればぜひ使ってみたい。
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