住所は、「住所」...? 京都・福知山に紛らわしすぎる地名があった
2021.03.20 08:00
寛政年間の『丹波志』に、「スミショ」の文字が......
Jタウンネットの質問に、丁寧に答えてくれたのは、福知山市役所生涯学習課の担当者だった。
「住所(すみんじょ)という地名の由来ですか? なかなか難問ですね。
江戸時代、1795年(寛政7年)に刊行された地誌『丹波志』の中に、川口郷の上小田村に4つの地名(集落名)が記されています。
その中に、『スミショ』とカタカナで書かれた地名が見られます。このスミショに、住所と漢字をあてたのではないかと考えられます。
スミショが『住所(すみんじょ)』と呼ばれるようになったのかもしれません」
しかし、なぜ、「スミショ」だったのか?
もともとこの辺りは、京都と山陰地方を結ぶ街道沿いだったという。
人の交流、物資の交流が盛んに行われていたらしい。古くから交通の要衝として栄えた地域だったそうだ。
ここには旅人相手の店があったり、運送や建設土木といった仕事に関わる人々が住んでいたのかもしれない、と生涯学習課担当者は語った。
交通の要衝、街道沿いの「スミショ」とは何か? 謎は深まるのみだ。
京都交通の住所(すみんじょ)というバス停の名称は、少なくとも江戸時代の文献まで遡れたが、あるいはもっと古いのかもしれない。
明智光秀が、信長の命を受けながらも、攻略に苦戦したと伝えられる丹波の國。バス停の名も、思い切り奥が深そうだ。