新潟の小さな煎餅会社が、台湾の世界的企業から22億円もの配当を得ている理由
2021.01.05 06:00
37年続けられた技術指導
Jタウンネットの取材に応じたのは、岩塚製菓総務課の担当者だった。
「1970年代後半、家業の水産加工業を継いだ(旺旺代表の)蔡衍明氏は、北海道によくイカの仕入れに来ていたそうです。当時日本で売られていた岩塚製菓の商品にほれ込み、岩塚製菓の創業者・槇計作元社長(槇春夫現社長の父親)に技術協力を仰いだのが、旺旺と岩塚の出会いのきっかけだったそうです。 槇元社長は、旺旺への技術支援にあたって、指定の原料・設備を使うこと、技術指導を受け続けることを条件に、1983年、技術提携することになりました」
技術指導は、37年を経過した現在でも続けられており、新潟の岩塚製菓から数人の技術者が中国の旺旺の工場に派遣され、常駐しているという。
岩塚製菓の出資と技術供与を受けた旺旺企業集団は、米菓を台湾と中国で販売し急成長した。旺旺グループの商品は、今や世界56か国で販売されており、「米菓生産量世界No.1メーカー」へと成長している。
蔡代表は槇元社長を「旺旺の父」と呼び、旺旺上海本部の1階ロビーには、岩塚製菓の槇計作元社長の銅像が置かれているという。
「旺旺企業集団の食品部門は香港市場に上場し、岩塚製菓はその5%の株を保有しており、株主として配当を受けております」
雪国・長岡には、すごい会社があった。