「スマホ落とした」→14日後「あれ俺のじゃね?」 失意の釣り人にまさかの再会、「救出劇」の結末は...
スマホを海に落としてしまった男性の「救出劇」が、ツイッターで話題になっている。
こちらはツイッターユーザーのカーターさんが2020年12月19日、地元の釣りスポットで撮影した写真。水底に、青白い物体が沈んでいるのがわかるだろうか。釣りの最中だったカーターさんは、この光景を見て
「待って
...........................あれ俺のスマホじゃね...............?」
と呟いている。
いったい、何が起きたのか。ことの発端は、さかのぼること2週間前。
カーターさんは5日、ツイッターでこんな報告をしていた。
「スマホ海に落とした
データもアドレスもアカウントも全部パー
もうどうでもいいや」
それから、14日ぶりの予期せぬ再会。カーターさんはスマホを「救出」することを決意した。
はたして、彼はスマホを取り戻すことはできたのか。Jタウンネットは、その一部始終を取材した。
スマホ救出までの道のりは果てしなく...
取材に応じたカーターさんは医療職に就く20代男性で、ドライブが趣味だという。
自分が「オタク」であると語る彼の車はいわゆる「痛車」。その車で痛車やオタク関連のイベントに参加していたが、コロナ禍のため職業上、外出を極力避けなければならなくなってしまったそうだ。
そこで「密」にならずに楽しめる趣味として、友人らと釣りを始めたという。
そんな彼を悲劇が襲ったのは、先に述べた5日の昼過ぎ。地元の釣りスポットで起きた出来事である。彼は当時をこう振り返る。
「スマホを上着のポケットに入れていたのですが、立ち上がった拍子に滑りでてしまいました。
その港は基本的に潮流が激しく、また砂浜と隣接しているため近くが砂地となっています。その関係で基本的に海は濁っていることがほとんどです。そのためスマホを落とした当日も海は濁っており、目視で確認することが不可能でした」
それでも数時間もの間、手元にあった網を伸ばしたり、スマホに電話をかけて画面を光らようとしたり、試行錯誤したそうだ。ところが潮が満ち始め、波も速くなってきたため、落ちた場所にはないだろう...、と判断し捜索を断念。結局5日は、回収することができず「失意のまま」帰宅し、自宅のパソコンから「落とした」と呟いたという。
それから2週間後。彼は、同じ釣りスポットでスマホを発見することになる。
いったいなぜ、それが自分のスマホだとに気づいたのだろうか。
「友人達と釣りをしていた時、海底に何かが沈んでいるように見えました。
はじめは、まさか自分のスマホが、あの場に残っているとは思ってもいなかったです。また落とした場所からズレたところにあったので、海の反射かゴミでもあるのだろうと思っていました。
ですが、見れば見るほど自分のスマホと、色合いや形が同じように見えて、なかば願いのような物も込めて『あれ俺のスマホでは...?』とツイートしたような感じです」
スマホを発見した後、どんな行動に出たのか。
カーターさんは、その場にいた友人達から借りた「タモ」(釣れた魚をすくう網)を使って救出を試みたものの、消波ブロックの窪みにハマっていたようで、うまく差し込むことができなかったという。
窪みに入れられる、小型の網が必要だ――。カーターさんは市街地まで車を走らせ、釣具店やスーパー、ホームセンターをぐるり。やっとの思いで、網を手に入れることができたという。
「トライ&エラー」の末、雄叫びをあげることに...
小さい網を手に入れた彼は、それから数時間にわたって「トライ&エラー」を繰り返した。網の形状を変えるなどし、「激闘の末」に救出に成功したという。
海から現れたスマホの背面は、バキバキに割れてはがれてしまっている。
それでも、もう失ったと思っていた自分のスマホだ。救出できた時の気持ちを、彼はこう明かした。
「救出した際は疲労困憊でヘロヘロでした。ですが、ゆっくりと引き揚げた網の中に入っているのが紛れもなく自分のスマホであると認識した瞬間、歓喜と達成感で雄叫びをあげていました」
ただ、見ての通りスマホのダメージはかなり大きい。中の情報は、どうなっていたのだろう。
「スマホは背面が割れ、中まで完全に海水が入り込んでいたので再起不能ですね」
とカーターさん。取材した12月22日時点で、救出したスマホは、フォロワーからのアドバイスに従い、米ぬかの中に埋めて湿気を取る作業をしているとのこと。スマホの中には、SDカードが入っていてイベントなどで遠征した時の「思い出」がつまっているという。
「もう少ししたら一縷の望みをかけてSDカードの摘出作業を行う予定です」
回収おめでとう。あとは、SDカードが壊れていないことを、切に祈るばかりだ。