雪国民がよく言う「車掘り出してから帰るわ」 実際の様子が想像以上に過酷だった
突然だが、まずはこちらの画像をご覧いただきたい。
降り注ぐ雪の中、一人の男性が雪の中に埋もれた黒い何かを必死で掘り起こそうとしている。実はこの黒い物体、大雪のせいで埋まってしまった車である。
こちらの画像をツイートしたのは、新潟県湯沢町にある創業165年の酒蔵・白瀧酒造。日本海側を中心に、前日から大雪が降っていた2020年12月17日、
「『車が雪で埋まったから掘り出してから帰るわ』雪国ではよく聞くセリフですが、実際の発掘現場がこちらになります」
というコメントを添えて、冒頭の写真を投稿したのだ。
さながら土中に埋まった化石の発掘作業のような除雪の様子に、ツイッターでは、
「これはマジ大変」
「もはや、かまくら」
「雪国の人達は、車に乗るのにも命がけになってしまうことがあるんですね!」
といった声が寄せられ、話題になっている。
「さすがに珍しいケース」
Jタウンネットは21日、白瀧酒造に詳しい話を聞いた。まず、写真は16日の18時半ごろに撮影したもので、場所は会社前にある社宅の前の駐車場だという。
取材に応じた第一営業部広報課の松村舞子さんを通じて、車を発掘していた社員本人に話を聞くと、
「雪が降り続いていましたが、車の雪降ろしを前日(15日)にしなかったため、2日目はいい加減しないとまずいと思っていました。
帰ってみると(車の周りは)想像以上のすごい雪でしたが今日、何としても掘り出さないといけないと思い数時間かけて掘り出しました」
とのことだ。たった一日放置しただけでこんな状態になってしまうとは、当時の降雪量の凄まじさが窺える。
松村さんによれば、今回のように車が雪に埋まってしまうことは雪国ではままあることだが、
「これほどまでに埋まってしまうのはさすがに珍しいケースだったので、びっくりしました」
ということだった。
なお、話題になった写真を撮影した別の社員によれば、車は当日の17時ごろから19時半ごろまでかかった除雪作業の末に掘り起こされた。その後、発掘作業を行っていた社員は、無事に車を運転して帰路に就いたとのことだ。
ツイッターでの反応に対し、松村さんは、
「たくさんの方に反応してもらって、雪国にある日本酒の酒蔵として興味を持っていただけて嬉しく思います。また、その他にも心配の声や労いの声も多くいただき、とてもありがたく思っています」
とコメントしている。