九州人「カバンからって」→他県民「???」 全国で「からう」が通じる地域はたったこれだけ
超絶方言でした
全体の結果を見てみると、「聞いたことも使ったこともある」が54.9%、「使ったことはないが、聞いたこともあって意味も知っている」が6.0%。つまり、約60%以上の読者が「からう」の意味を知っていた。
一方、「聞いたことはあるが、意味は知らなかった」は1.3%、「全く知らなかった」は37.8%で、意味を知らなかったのは全体の4割弱。
では、都道府県ごとの結果はどうか。
意味を知っている人の割合が比較的多かった地域を色付けると、以下の地図のようになった。
色がついたのは福岡、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、山口、東京の8地域のみ。
ご覧の通り九州地方に「からう」の意味を知っている人が多いという結果になった。
特に、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島の4県では100%の投票者が意味を知っていた。そのうち使ったこともある人の割合も非常に高く、佐賀と熊本では全員が「聞いたことも使ったこともある」と回答。宮崎では92.3%、鹿児島では91.7%が「からう」を使ったことがあった。
福岡、長崎での認知率も非常に高く、福岡では96.5%が、長崎では93.8%が意味を知っていた。また、使ったこともあるのは福岡で89.5%、長崎で93.8%だった。長崎では、意味を知っていた人は全員、使ったこともあったということだ。
同じ九州でも大分県では33.3%が「聞いたことも使ったこともある」、66.7%が「全く知らなかった」を選択。ただ、これは他県に比べると投票者が少なかったことも影響しているかもしれない(大分県からは3人のみが投票)。
九州にほど近い山口県と、他地域から多くの人が集まる東京でも「からう」の認知度は比較的高い。山口では66.7%、東京では66.5%が意味を知っていた。とはいえ、ほとんどの県で認知率90%を超えていた九州の水準には遠く及ばない。
色がついた8都県以外の地域からの投票を集計したところ、「からう」の意味がわかる人は19.2%にとどまり、80.8%は意味を知らなかった。中でも、聞いたことすらないと言う「全く知らなかった」を選択した人が最も多く、79.1%を占めていた。
全国の方言約20万語を収録した「日本方言大辞典」(小学館、ジャパンナレッジ版)によると、荷物を背負うと言う意味の「からう」は山口県、福岡県、長崎県、熊本県などの資料に登場している。また、「からう」が変化した「かるー」は、九州だけでなく四国や中国地方などの資料にも登場しているようだ。
同辞典によると、幼児をおんぶすることも九州では「からう(かるー)」と表現するが、これは他地域には見られない用法とのことで、「九州で独自に発生したものではなかろうか」とされている。