東日本で「おにぎりせんべい」はレアって本当? 気になる噂の真相を、メーカーに聞いてみた
みなさんは「おにぎりせんべい」をご存じだろうか。
おにぎり型のせんべいで、一番ベーシックなのはしょうゆ味。せんべいには小さくカットされた海苔が散りばめられている。
しかしこの「おにぎりせんべい」、どこにでも売っているように見えて、実は東日本ではあまり知られていない――そんな話がツイッターで話題になっている。
発端となったツイートは、「おにぎりせんべい」を製造・販売するマスヤ(三重県伊勢市)の公式サイトに載っている「商品に関するQ&A」の一つを紹介。その内容は、以下のようなものだ。
Q:熊本に住んでいましたが、横浜に引越しました。関東での販売先を教えて下さい。
A:静岡以西(九州まで)の地区では大部分のスーパー・コンビニ様で取り扱っていただいておりますが、関東地区でお買い求めになられる皆様には大変ご迷惑をおかけしております。少しでもお買い求めやすくなるように現在ガンバっていますので、これからもよろしくお願い致します。
マスヤからの回答には、関東・長野・山梨での主な販売先が載った、ページのリンクが添えられている。こんな問い合わせが来るほど、東日本での販売は少ないのだろうか...。
試しに筆者が秋田出身の知人に聞いてみると、「おにぎりせんべい?知らないです...」との返答。
ツイッターでは、話題になった投稿に対し、
「知らなかった 全国区じゃないんだ」
「たしかに!東京で見かけないです」
「東京生まれ東京育ちですが知りません」
「子供の頃好きで食べてたのに、東北に越してきたらめっきり見なくなりました...」
といったコメントが見られる一方で、
「東京住みですけど、普通のスーパーやコンビニで売っていますよ!」
「お?北関東、栃木ではわりとスーパーでも見かける」
との声も寄せられている。
「おにぎりせんべい」の全国での知名度は、実際のところどれくらいなのだろうか。
「関東では限られたスーパーのみ」
マスヤの公式サイトによると「おにぎりせんべい」は1969年に発売。当時のせんべいは丸や四角が主流だったが、「三角のおせんべいがあってもいいじゃないか」ということで三角の形になった。
現在では、しょうゆ、わさび、銀しゃりといった複数の味が販売されている。
Jタウンネットは2020年10月13日、マスヤ営業本部チームの担当者に「おにぎりせんべい」について詳しい話を聞いた。
担当者によれば、最もベーシックな「しょうゆ」味は全国で販売している。ただ、販売店舗数は地域によって差があるようで、
「西日本、特に東海・近畿ではどこのスーパーでも売っています。しかし関東では限られたスーパーでしか販売していないのが現状です。東北なんかは一番入ってないかもしれません」
と話している。
マスヤおにぎりせんべいの公式ファンクラブサイト「おにぎり倶楽部」には、全国の知名度を示した「47都道府県おにぎりせんべい知名度調査」が掲載されている。調査期間は11年10月~12年9月、各都道府県で100人ずつに聞いたという。
結果は一目瞭然。おにぎりせんべいの知名度を表す「認知度指数」は、北海道・東北地方が明らかに他地域より低い。宮城は53%と半数を超えているが、岩手は21%、青森、秋田、山形、福島に至っては10%台だ。
首都圏は東京56%、神奈川59%、埼玉55%と約半数程度。マスヤの本社がある三重や、愛知、静岡、滋賀、大阪、兵庫、岡山、広島、山口、香川、熊本、鹿児島が100%になっているのを踏まえると、東西で知名度に差があるのは明らかだ。
担当者は、ツイッターで話題になっていることについて、
「話題にしていただいて、盛り上げていただくのは非常にありがたいです。東日本の方々も、まったく売ってないわけではないので、ぜひ見つけて買っていただければと思います」
と話している。