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同人誌は室町時代から存在した...? 当時の素人が描いた「新蔵人物語絵巻」が薄い本のようなストーリーだと話題に

笹木 萌

笹木 萌

2020.10.11 17:00
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「男装の姫君」は室町以前にも

「新蔵人物語絵巻」はリニューアル・オープン記念展II「日本美術の裏の裏」(9月30日~11月29日、会期中に場面替えあり)で展示されている。

会期中に場面替えも(画像はりょ@pdryoさん提供)
会期中に場面替えも(画像はりょ@pdryoさん提供)

Jタウンネットは10月5日、サントリー美術館主任学芸員の上野友愛さんに「新蔵人物語絵巻」について詳しい話を聞いた。

物語の中心となるのは、男装して宮仕えする少女。正体がばれた後も帝に寵愛されるというストーリーだ。

現代の少女漫画にもありそうな設定だが、このようなストーリーは室町時代から珍しくなかったのだろうか。上野さんに聞いてみると、

「男装の姫君という点では、『新蔵人物語絵巻』よりももっと古く、平安時代後期に成立した『とりかへばや』や、平安時代末期の『有明の別れ』などがあります。

ただし、『とりかへばや』では天狗の呪いのせい、『有明の別れ』では後継者問題のためと、姫君が男装する理由が別にありましたが、『新蔵人物語絵巻』では、主人公が自らの意志で男装しており、意識的に性別の枠を飛び越えようとする新しい主人公像が見られます」

「男装した女性」という登場人物の設定自体は室町以前からあった。だが、自らすすんで男装するという点は「新蔵人物語絵巻」ならではの要素だったようだ。

15~16世紀に流行した小型絵巻
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