「この先42キロは砂利道です」 アスファルトの偉大さを痛感させる青森の県道が話題に
コロナ禍の夏休み、どうやら車で旅をする人が多いと聞く。たしかにドライブ旅行の方が、ウイルス感染の心配は少ないかもしれない。だが旅先を車で移動する場合、地方の道路事情に慣れていないと、予想外のトラブルに遭遇してしまうことも...。
2020年8月19日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。
ツイッターユーザーの重岡宗太郎(@bnd3yh)さんは、青森県で未舗装道路42キロを走破したようだ。「未舗装路42キロ抜けるのに3時間かかるのでアスファルトは偉大」とコメントを添えている。どうやら、かなり苦労したようだ...。
投稿された写真には、「走行注意!!」と赤字で大きく書かれた案内板もある。「この先42キロは砂利道です」とも記されている。
こんな看板を目にしたら、誰でも一瞬ひるむだろう。相当な難路が待ち構えているような予感がする。いったいここは青森のどこだろう?
Jタウンネット記者は、投稿者の重岡宗太郎(@bnd3yh)さんと、道路事業所に詳しい話を聞いた。
「雨の日は避けた方が良いかもしれません」
先ほどのツイートを投稿した重岡さんによれば、42キロの未舗装道路が続いていたのは、「白神ライン」の愛称で知られる県道28号だという。
「7月25日、友人と二人で行きました。 せっかくなので世界遺産である白神山地の近くを通る、この道路を通行しようという話になり、走ってきました。 途中、お手洗いや展望台で数回停車しましたが、(当然ですが)どこも静まり返った山の中だったのが印象的でした」
白神ラインは、深浦町岩崎で国道101号から分岐した後、笹内川沿いに東進し、白神山地を横断する。
途中、雄大な白神岳を臨む白神展望所、追良瀬大橋、赤石川大橋、白神山地のポスター撮影地でもある天狗峠、乱岩の滝、ブナ、ナラなどの巨木で知られる津軽峠などの観光スポットがある。
重岡さんが乗っていたのはホンダのFF車だったというが、運転技術的に難しい場所は、とくになかったのだろうか?
「友人が山道に多少心得があったので、特段の苦労はなかったです。 道幅が狭く対向車との離合箇所が限られる点、アスファルト舗装と違いカーブで滑りやすかったり、突然路面に凹んだ部分があったりする点など注意すれば、未舗装とはいえ、ある程度整備された道なので普通の乗用車でも走れます。
他に走っていた車も、特別な装備等がある四駆車よりも、ごく一般的なミニバンや軽自動車が多かったです。ただし雨の日は避けた方が良いかもしれません」
重岡さんの報告を受けて、ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「10年以上前ですが、この道を通ったことがあります。滝の所、前日の雨と突然の土砂降りで道路まで水がかかる勢いでした...命からがら抜けましたが恐怖そのものでした」
「時間に余裕がある時以外は走りたくないですが、なんとなく走ってみたいかも......」
「42キロはお腹いっぱいになりますね。 羨ましいです」
次に、「白神ライン」の一部を管理する鯵ケ沢道路河川事業所にも話を聞いた。
「白神ラインは主要地方道ですが、山間部に位置していますので、砂利道が多く、道幅が狭い箇所もありますので、注意して走行してもらいたいという意図で、あのような走行注意の案内板を数カ所に設置しております。
アスファルト舗装のところも一部ありますが、ほとんどが砂利道で、車の種類によっては、大変な場合もあるかと思います。とくに大雨の後など、天候によっては、通行止めになる場合があります。観光客の皆様には、豊かな自然環境を楽しみながら、充分に気を付けて走行していただきたいと思います」
冬季は、降雪のため、閉鎖となるという。この夏、ドライブ好きには、ちょっと試してみたい「未舗装道路」かもしれない。ただし台風や大雨など、天候が悪いときは、絶対に避ける方が賢明だろう。