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魚が地中を泳いでる...? 富士山麓にある「森の中の水族館。」が完全にファンタジーの世界だった

笹木 萌

笹木 萌

2020.08.26 06:00
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水族館は、どちらかといえば海の近くに建っているイメージが強い。全国的に有名な沖縄美ら海水族館(沖縄県国頭郡本部町)や海遊館(大阪市)もそうだ。

その一方で、「森の中」にも水族館があるとツイッターで話題になっている。しかも海に面してない山梨県に位置しているという。

森の中の水族館とはどんなものなのか...その写真がこちらだ。

富士湧水の里水族館・横見水槽(画像提供・桔梗屋)
富士湧水の里水族館・横見水槽(画像提供・桔梗屋)

水の中を気持ちよさそうに泳ぐ魚たち。その後方には木々が茂り、まるで森の地下に魚たちが生息しているようだ。なかなかに神秘的な光景だが...いったいどんな構造になっているのか。

実はこれ、館外にある池を横から覗けるようにした「横見水槽」。魚たちが泳いでいるのは普通の水槽ではなく、本物の池の中なのだ。

この水槽があるのは、淡水魚を専門とする山梨県立富士湧水の里水族館(通称『森の中の水族館。』山梨県南都留郡忍野村)。世界文化遺産・富士山の構成資産で、国の天然記念物でもある湧水池「忍野八海(おしのはっかい)」の近くに位置している。

ツイッターではこの「横見水槽」と、館内で一番大きい「二重回遊水槽」の写真が話題となり、

「夏の間だけ住みたい...」
「山の中なのも気持ちいいし、雰囲気もいい また行きたいなぁ~」
「ここ、人がすくなくてめちゃくちゃ穴場で良いところなんですよ。夏でも涼しいし素敵」

といった声が寄せられている。

畳に寝転んで魚を鑑賞

Jタウンネットは2020年8月19日、富士湧水の里水族館を運営する桔梗屋(本社・山梨県笛吹市)の広報担当者に詳しい話を聞いた。

富士湧水の里水族館は、2001年4月に開館。富士山麓の森の中に位置する木材張りの水族館で、建物を半分囲むような外池が特徴的だ。

森の中にある(画像提供・桔梗屋)
森の中にある(画像提供・桔梗屋)

担当者によれば、水族館では約100種1万匹の生物を展示。地下から汲み上げた、透明度の高い富士山の湧き水を飼育水に利用している。館内には大型水槽7本が設置されているが、今回話題となった「二重回遊水槽」と「横見水槽」は特に人気があるという。

二重回遊水槽(画像提供・桔梗屋)
二重回遊水槽(画像提供・桔梗屋)

「二重回遊水槽」は館内中央に位置するドーナツ型の水槽。大きな水槽の内側に小さな水槽があるという二重構造で、魚の大きさによって水槽が分けられている。分かれていても、魚たちが一緒に泳いでいるように見えるのが魅力的だ。

また「横見水槽」は先述の通り池の中を横から覗ける水槽で、1メートル以上のチョウザメや大きなニジマスが悠々と泳いでいる。普段は水槽横に畳が設置され、寝転んだ状態で魚を鑑賞できるが、現在は新型コロナウイルス対策のため撤去されているという。

来館者からは、

「海の近くにある水族館とは雰囲気が全然違うので面白い」
「海のない山梨県で水族館があるなんて驚いた」
「綺麗で落ち着いていて良い水族館だった」

といった声が寄せられているそうだ。

魚の「説明」にも注目

森の中にあることで話題になった富士湧水の里水族館だが、特徴はそれだけではない。ツイッターでは水槽付近に掲示された「説明書き」に注目する声も複数見られる。

それがこちら。「飼育スタッフのコメント」を見てほしい。

飼育スタッフのコメントに注目(画像提供・桔梗屋)
飼育スタッフのコメントに注目(画像提供・桔梗屋)

飼育スタッフのコメントに注目(画像提供・桔梗屋)
飼育スタッフのコメントに注目(画像提供・桔梗屋)

ニホンウナギの豆知識「ニホンウナギの血には毒があり、人間が血を1リットル飲むと死ぬ可能性もある」に対し、飼育スタッフのコメントは、

「どんな生き物の血でも、1リットルも飲んだら死んでしまうのでは?」

...たしかに一理ある。真偽のほどは分からないが冷静なツッコミだ。

またアユに対しては、

「ほかの魚よりもタラコ唇に見えません?結構柔らかいらしいですよ」

と謎の情報。いったいどう活かせというのだろうか。

担当者によれば、以前は専門的な内容の掲示をしていたが、あまり読んでもらえなかったそう。現在の掲示になった理由については、

「お客様から『生き物の長所とか短所がわかったら面白い』という声がありました。そのため生き物の説明だけでなく、親近感の湧きやすいコメントを付けることで、楽しく読んでもらえるようになるのではないかと思いました」

と説明している。

メジャーではないが、見どころが多いこちらの水族館。「忍野八海」に行ったついでに訪れてみるのもいいかもしれない。

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