日本らしさの中に漂う異国の香り 古都奈良を彩る赤提灯が幻想的で美しい
「日本らしい光景でもあり、どこか異国のようでもある」
投稿者のwasabitoolさんによると、猿沢池を赤く彩る提灯は、「ならまち遊歩」という夏のイベント企画の一つだという。
「ならまち遊歩」とは、奈良市の旧市街をゆっくり歩いて、商店街や飲食店で過ごしてもらおうという趣旨でスタートした比較的新しい催し。17年から、毎年夏に行われている。
イベント期間には、ならまち全体を提灯で彩り、ノスタルジックな空間を作り上げている。
20年は新型コロナウイルスの影響で、提灯が飾られるのは猿沢池など一部の場所のみになったものの、イベント自体は8月15日から開催されている。
wasabitoolさんは「毎年楽しみにしています。今年も美しく提灯を飾ってくださり感激しました」と語っている。
16日の撮影当日の様子を、wasabitoolさんに聞いた。
「太陽が落ちる頃に提灯が灯り、興福寺五重塔がライトアップされます。無風だったので猿沢池が水鏡となり、無数の提灯が視界いっぱいに広がり、大変美しかったです」
ツイッターの反響の中に、「日本らしい光景でもあり、どこか異国のようでもある」という感想があった。そういった声に関して、wasabitoolさんは、
「水鏡により不規則に反射した提灯を見ると、ランタンを空に飛ばすタイのコムローイのようなイメージも感じました。風が吹くと反射しないので、また違った感じ方だったと思います」
と答える。
コムローイとは、大空に無数のランタンを飛ばす、タイのお祭りだ。古代の奈良には、仏教と同時に、大陸や東南アジア、それこそインド、ペルシャなどの文化も伝わってきたと言われている。猿沢池で異国の香りがしても、けっして不思議ではない。
ならまち遊歩の開催期間は、23日まで。猿沢池の幻想的な光景を見る際は、感染予防に気を付けて、買物や外食を楽しんでいただきたい。