誰もいない人力車に話しかける車夫 いったい何事?と思ったら...まさかの「リモート乗車中」だった
人力車×Zoomで人を笑顔に
2020年8月3日、Jタウンネットがオンライン人力車に遭遇した地下生活者の映画日記さんに、目撃時の感想を聞くと
「びっくりしました。そんなのアリか?楽しいのか?と...。でも冷静に考えると、巷にあるリモートが出来ないことの代替であるのに対して、これは拡張だな、と。コロナが終息しても伸ばしていけるのではないでしょうか。感心しました」
と話す。確かにオンライン人力車はコロナ禍でなくても面白い試みだ。身体が不自由な人でも、気軽に参加することができるだろう。
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オンライン人力車のサービスを提供しているのは、以前から人力車の車夫をしている三浦翔平(26歳、写真本人)さんだ。
3日、Jタウンネットが本人を取材すると、Web会議ツール「Zoom」を用いて人力車の乗車体験を提供しているという。自宅にいながら世界中どこからでも浅草の風景を楽しむことができるのだ。
サービスは6月1日からスタート。人力車の背もたれ部分にWebカメラやスマートフォンを設置し、乗客はそこから撮影した景色を楽しむことができるという。三浦さんは、座席に置いたパソコンから参加者の顔を確認しつつ、浅草周辺の魅力を話しながら巡るそうだ。
元々消防士だったという三浦さん。仕事を辞めて16年頃に、とある人力車の会社で働き始めたという。そんななか、自分で人力車の会社を作りたいと思った三浦さんは、資金作りのために18年夏頃に会社を退社し、建設業へ。
その資金作りの最中に新型コロナウイルスが流行し、家にいる時間が増えたという。
「(建設業の)仕事が減って家にいる時間が増えました。そうなると人と会話する時間が減り、笑顔でいられる時間も減りました。気持ちも下向きになっていました。
今の自分に出来ることってなんだろうと考えた時に、人を笑顔にすることだと思いました。世の中が不安になっている時に、人力車とZoomを使えば、人を笑顔に出来るなと。こういった経緯でオンライン人力車というサービスを始めました」(三浦さん)