蚊を漢字で「虫+文」と書く理由 ブーンと飛ぶ虫だから、ではなく...
「文」=「ブーン」?
石川県白山市にある「ふれあい昆虫館」の担当者によると、蚊は普段はあまり動くことなくエネルギーを温存しているのですが、飛ぶときの羽ばたきの回数が非常に多いのです。
その回数は、1秒間に500回。チョウが1秒に20回、ミツバチが1秒に200回なのでその差は歴然。けた外れの体力はまるでアスリートです。
その羽を高速で震わせるときに「ブーン」という羽音が出るのです。
さて、この「ブーン」という羽音が、「蚊」という漢字の由来になるのでしょうか?
金沢大学で調べてみると、「蚊」という漢字は「形成文字」の仲間で、意味をあらわす文字と音をあらわす文字から成り立っているということが分かりました。
やはり、「文」はブーンという音が由来と思いきや、古来の中国では「文」は、「ミィウェン」と発音したそうです。
古代中国では、蚊の音は「ミィウェン」と聞こえたようです。(現代の中国では、ウェンと発音し、蚊の音はウォンだそうです。)
ですので、日本で「文」とブーンという羽音が一緒なのは、たまたま重なっただけなのです。
それにしても偶然の一致ですね。
(ライター:りえ160)